NBA

負傷離脱中のジョン・ウォールがウィザーズのアシスタントコーチに?コートサイドから八村塁らチームメイトをサポートへ

秋山裕之

2019.10.20

経験豊富なウォール(左)からのアドバイスは、ルーキーの八村にとって大きな助けになるだろう。(C)Getty Images

 プレシーズンマッチが終わり、NBAの201920シーズンは1022日(日本時間23日)に幕を開ける。ワシントン・ウィザーズはジョン・ウォールというリーグ有数の司令塔不在の中で戦い抜かなければならない。

 ウォールは2010年のドラフト全体1位指名でウィザーズ入りした、抜群の身体能力を持つポイントガード。トランジションやハーフコートで驚異的な突破力を誇り、キックアウトからチームメイトたちに何度も得点チャンスを演出してきた。

 昨季までのキャリア9シーズンで、ウォールはクリス・ポール(オクラホマシティ・サンダー/平均9.7本)に次ぐ現役2位の平均9.2アシストを記録する実力派のプレーメーカーであり、キャリア平均19.0点と、スコアリングでも頼りになる存在である。

 だが、昨年末にウォールは左かかとの踵骨棘(しょうこっきょく)の修復手術を受けるため戦線離脱。さらに今年2月に入って左足のアキレス腱部分断裂も発覚し、長期離脱を余儀なくされている。

 そのため、ウィザーズは今季、ポイントガードのイシュ・スミス、利き手である左手の親指負傷から復帰を目指すアイザイア・トーマス、さらにオールスターのブラッドリー・ビールもボールハンドラー役を務めることになるのだが、ウォールはシーズンを通してチームをサポートしていくという。
 
 9月下旬、『NBC Sports Washington』はウォールがアキレス腱断裂のリハビリ期間に、スコット・ブルックス・ヘッドコーチの非公式アシスタントコーチになると報道。同メディアのポッドキャストでウォールは「今シーズンは、俺が将来コーチになれるかどうか教えてくれることになるだろうね」とコメントした。

 来季(202021シーズン)の復帰を目指すウォールは、「我慢強くなければいけないと思う。それに選手たち全員とどのようにしてコミュニケーションを取っていくかを知る必要がある。選手は皆、姿勢も違うし、性格だって違うものだからね」という言葉を残している。

 今季ルーキーながら先発パワーフォワードとして起用されることが濃厚な八村塁について、ウォールは一緒にプレーしたことこそないものの、ドラフト直後にチーム関係者を通じてFaceTimeですぐさまコンタクトを取っており、ウィザーズ入りを歓迎したという。

 ウィザーズを代表する選手として、ウォールはドラフト直後のルーキーへの気配りを見せていた。今季コート上でプレーすることはなさそうだが、フィルムセッションでは選手たちとともに分析し、練習中にはガード陣へアドバイスすることが期待されている。

 八村とはポジションこそ違うものの、これまで培ってきた経験を活かし、ウォールはポジショニングやマッチアップ相手の特徴や癖を伝えるなど、八村をサポートしていくだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)
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