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15年連続でプレーオフを逃し不名誉な記録に並んだキングス。それでもウォルトンHCの続投を決めたワケは<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2021.05.18

ウォルトンは2019年からキングスで指揮を執っているが、就任2年目の今季もチームをプレーオフに導くことはできなかった。(C)Getty Images

 5月16日(日本時間17日、日付は以下同)。今年バスケットボール殿堂入りするメンバー16名が発表され、選手部門でクリス・ウェバー(元サクラメント・キングスほか)とリック・アデルマン(元コーチ)が選ばれた。

 両者は1998年にキングスに加入し、その後チームはプレーオフの常連に成長。ウェバーは2005年にトレードで移籍したものの、アデルマンはヘッドコーチ(HC)として06年までフランチャイズ史上最長となる8年連続のプレーオフ進出へと導いた。

 02年にはウェバーやマイク・ビビー、ブラデ・ディバッツ、ペジャ・ストヤコビッチといった豪華戦力を集結させ、2連覇中のロサンゼルス・レイカーズをプレーオフで土俵際まで追い詰めた。当時のチームは強力な先発陣に加え、ベンチの層も厚く、優勝も近いと思われていたが、チャンスをモノにすることはできなかった。

 キングスは今季ウエスタン・カンファレンス12位の31勝41敗(勝率43.1%)でレギュラーシーズンを終了し、15シーズン連続でプレーオフを逃した。アデルマンが06年に辞任後、10人の指揮官がキングスを指揮してきたが、いずれもポストシーズンには進めていない。

 今季プレーオフ進出を逃したことで、キングスはロサンゼルス・クリッパーズ(1977年から91年)と並び、リーグ史上最長タイという不名誉な記録を樹立。もし来季もプレーオフから遠ざかれば、新記録を樹立してしまうこととなる。
 
 レギュラーシーズン終了から一夜明けた17日。地元メディア『NBC Sports Bay Area/California』のジェームズ・ハム記者が、ルーク・ウォルトンHCが来季も続投すると報道。

 ウォルトンHCは今季までの2シーズンで144試合を指揮して62勝82敗(勝率43.1%)。プレーオフ進出とは行かないまでも、プレーイン・トーナメント進出争いには参戦。チームにはディアロン・フォックスやハリソン・バーンズ、バディ・ヒールド、リショーン・ホームズ、マービン・バグレー三世、タイリース・ハリバートンといったコアとなる選手たちが揃ってきた。

 今季は終盤にラストスパートをかけようとしたものの、フォックスが安全衛生プロトコル入り、ハリバートンがヒザを痛めて一足早くシーズン終了と、プレーメーカーを2人も欠き、バグレー三世とホームズというビッグマン勢もケガに苦しんだ。
 
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