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「強い彼らが戻ってきた」名門復活を果たしたニックスをかつてのライバルも称賛「1990年代を彷彿させる」<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2021.05.21

今季のニックスは1990年代のような堅い守備を武器に、8年ぶりのプレーオフに返り咲いた。(C)Getty Images

 ニューヨーク・ニックスと言えば、世界的大都市を拠点とするNBA創設当時からのオリジナルチームであり、ホームアリーナのマディソンスクエア・ガーデンは"バスケットボールの聖地"とも言われている。

 これまでリーグ優勝2回(1970、73年)、90年代にはNBAファイナルに2回進出した古豪は、2000年代に入るとプレーオフ進出わずか5回と低迷期に突入していたが、今季見事に復活。かつてしのぎを削ったライバルも「強いニックスが戻ってきた」と太鼓判を押している。

 古くはウォルト・フレイジャーやウィリス・リード、90年代以降はパトリック・ユーイングやジョン・スタークス、アラン・ヒューストンにラトレル・スプリーウェル、2010年代にはカーメロ・アンソニー(現ポートランド・トレイルブレイザーズ)といった人気選手が在籍。しかし、カーメロ、JR・スミス、タイソン・チャンドラーらが所属した2012-13シーズンを最後にプレーオフから遠ざかり、14-15シーズンと18-19シーズンはわずか17勝(65敗)しかできず、カンファレンス最下位に低迷した。
 
 先の見えない長いトンネルに突入していたなかで、今季ついに止まっていた時計の針を動かした。平均24.1点、10.2リバウンド、6.0アシストの活躍を見せたジュリアス・ランドル、同17.6点をあげたRJ・バレットを軸に、シーズン途中にベテランのデリック・ローズ(同14.9点)が加わり、4月に破竹の9連勝を記録。リーグ最少失点(104.7点)を誇る堅守を武器に、イースト4位の41勝31敗(勝率56.9%)という成績を残し、8年ぶりとなるプレーオフの切符を手にした。

 1990年代、プレーオフで計6回対戦するなど激しく火花を散らしたインディアナ・ペイサーズの元エースであり、現在は『TNT』のアナリストを務めるレジー・ミラーは、番組内で元ニックスのPGグレッグ・アンソニーに対して、"名門復活"に対する自身の見解を述べている。

「今のニックスのゲームは、チケット代1000ドル(約10万9000円)に値する。かつての強い彼らが戻ってきたことを感じさせるね。非常にタフで、ディフェンス志向が浸透していて、対戦相手にフラストレーションを与えられる。まさにトム・シボドー・ヘッドコーチのチームだ。私は彼のスタイルが好きでたまらないよ」
 
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