NBA

「短期間でチームを変えてくれた」最優秀エグゼクティブ賞に輝いたジョーンズGMをウィリアムズHCが称賛!<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2021.06.22

ジョーンズ(左)は2018年にGMに就任。ドラフトでエイトン(右)、トレードではポールなど実力者の獲得に成功し、今季サンズを11年ぶりのプレーオフに導いた。(C)Getty Images

 6月20日(日本時間21日、日付は以下同)、NBAは今季の最優秀エグゼクティブ賞にフェニックス・サンズのゼネラルマネージャー(GM)、ジェームズ・ジョーンズが選ばれたことを発表した。

 40歳のジョーンズは、現役時代はスポットアップシューターとして14年間プレー。2005~07年はサンズにも在籍し、キャリア後半の7シーズンはレブロン・ジェームズ(現ロサンゼルス・レイカーズ)と共闘して3つのチャンピオンリングを獲得した。

 17年に引退し18年10月にサンズのGM代行へ就任。翌19年4月に正式なGMに昇格すると、その1か月後の5月にモンティ・ウィリアムズをヘッドコーチ(HC)を招聘し、同年夏にはトレードでキャメロン・ジョンソン、ダリオ・シャリッチを獲得。

 昨年オフにはトレードでクリス・ポール、フリーエージェント(FA)戦線でジェイ・クラウダー、ラングストン・ギャロウェイ、イートワン・モアらを補強。今季途中にはトレードでトーリー・クレッグをロースターに加え、サンズはリーグ2位となる51勝21敗(勝率70.8%)の好成績で、11年ぶりのプレーオフ進出を決めた。

「最初にドラフトされた時、僕の旅路は『なんてこった。このチームは酷いじゃないか。このチームはきっと失敗する運命なんだ』って感じだった。でもそこからカンファレンス・ファイナルまで勝ち上がったんだ。すごく楽しいね」(キャメロン・ジョンソン)
 
 ジョンソンがサンズに加入した前のシーズン。チームはウエスタン・カンファレンス最下位の19勝63敗(勝率23.2%)だった。だが昨季は34勝39敗(46.6%)でプレーオフへ肉薄し、今季はウエスト2位でプレーオフに出場。ジョンソンは「僕は本当に、このグループが大好きなんだ。コートに出ている皆がね。僕は彼らと一緒にプレーするのが大好きさ」と喜びを露わにしている。

 デビン・ブッカーというオールスタースコアラー、ビッグマンのディアンドレ・エイトンの周囲に、サンズはベテラン司令塔(ポール)、クラウダーやジョンソン、ミカル・ブリッジズといった有能なウイング陣を配置し、覇権争いができるチームへ大変貌を遂げた。

「このチームが成功を収めたなかで、彼はその最たる要因なんだ。素晴らしいキャラクターとタレントを持つ選手たち集めてくれたからね。彼は短期間でこのチームを変えてくれたんだ」

 ウィリアムズHCがそう話していたように、ジョーンズはGMとしてサンズを見事に激変させ、リーグ上位レベルへと押し上げたのである。

 現在、サンズは1993年以来となるNBAファイナル進出をかけて、ロサンゼルス・クリッパーズとのカンファレンス・ファイナルを戦っている。ポールが安全衛生プロトコル入りによって第2戦も欠場することが決まっているが、ブッカーを中心に初戦を制しており、28年ぶりのファイナル進出、そして初優勝も視界に捉えている。

文●秋山裕之(フリーライター)
 
NEXT
PAGE
【動画】サンズを牽引する万能スコアラー、ブッカーの2020-21シーズン好プレー集!