今夏フリーエージェントとなったアンドレ・イグダーラは、ゴールデンステイト・ウォリアーズと契約を結び、3シーズンぶりの復帰を果たした。
2013-14から18-19までの6シーズン、イグダーラは主にシックスマンとしてウォリアーズに不可欠な存在となり、多くの勝利をもたらしてきた。
2019年の退団後はマイアミ・ヒートでプレー。その間にウォリアーズはロースターが入れ替わり、イグダーラにとってはステフィン・カリー、ドレイモンド・グリーン、クレイ・トンプソン、ケボン・ルーニー、デイミオン・リーを除く選手たちとは初めてプレーとなった。
現地時間12月2日を終えた時点で、37歳のベテランは、12試合の出場で平均20.8分の出場で3.8点、3.5リバウンド、3.8アシストを記録。平均得点は自己ワーストの数字だが、アシストはグリーン(7.7本)、カリー(6.6本)に次ぐチーム3位と、ロールプレーヤーとしての役割を見事に務め上げている。
そんななか、先月スタートしたグリーンのポッドキャスト番組の最新エピソードにイグダーラが出演。今季からチームメイトとなったアンドリュー・ウィギンズとの会話を明かしていた。
「彼は『レブロンをガードする時に好んでやっていることはある?』って感じで聞いてきた」
イグダーラはウィギンズにレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)の守り方を質問され「おいおい! 俺よりお前の方がずっといい能力があるじゃないか」と返すも、「オーケー。そう聞いてくるのはいいことだ」とし、こう続けた。
「彼(ウィギンズ)にいくつか助言したんだ。(レブロンを)完璧に止めることは重要じゃない。そんなことできないからね。彼には(得意ではない)スポットへ行った時に倒すんだ。それは(カリーが)シュートした時に始まる。ステフがシュートしたら、レブロンを探して、『どの位置をアタックすればアウト・オブ・バウンズになるか?』と考える。俺の頭ではいつもそのことが最初にあるんだ」
198センチ・97キロのイグダーラは、206センチ・113キロのレブロンと15年から18年まで4年連続でNBAファイナルでマッチアップしてきた。
当時クリーブランド・キャバリアーズに在籍していたレブロンは、チームの大黒柱でトップスコアラー兼プレーメーカーとして君臨。そこでイグダーラはレブロンに当たり負けせず、コンタクトされてもしっかりと受け止め、シュート態勢に入る寸前にボールをティップしてミスを引き出すなど、老獪なディフェンスを何度も見せていた。
ウィギンズ(201センチ・89キロ)が、レブロンの強烈なフィジカルと真っ向勝負するのは酷だけに、高いバスケIQと豊富な経験を持つイグダーラに助言を求めるのは正解だろう。
15年にウォリアーズでレブロン率いるキャブズを4勝2敗で下してチャンピオンとなったイグダーラは、同年夏に優勝トロフィーとファイナルMVPのトロフィーを引っ提げて、日本で"トロフィーツアー"を断行。そこでディフェンスの極意について「step ahead(一足先を読むこと)」と話していたことも印象的だった。
ウィギンズのような中堅選手にとっても、ウィングのポジションで長いキャリアを誇るイグダーラから学ぶ部分は多い。身体能力だけでなく、頭脳も用いて相手をスローダウンさせる男の存在も、今季のウォリアーズ好調の要因だろう。
文●秋山裕之(フリーライター)
2013-14から18-19までの6シーズン、イグダーラは主にシックスマンとしてウォリアーズに不可欠な存在となり、多くの勝利をもたらしてきた。
2019年の退団後はマイアミ・ヒートでプレー。その間にウォリアーズはロースターが入れ替わり、イグダーラにとってはステフィン・カリー、ドレイモンド・グリーン、クレイ・トンプソン、ケボン・ルーニー、デイミオン・リーを除く選手たちとは初めてプレーとなった。
現地時間12月2日を終えた時点で、37歳のベテランは、12試合の出場で平均20.8分の出場で3.8点、3.5リバウンド、3.8アシストを記録。平均得点は自己ワーストの数字だが、アシストはグリーン(7.7本)、カリー(6.6本)に次ぐチーム3位と、ロールプレーヤーとしての役割を見事に務め上げている。
そんななか、先月スタートしたグリーンのポッドキャスト番組の最新エピソードにイグダーラが出演。今季からチームメイトとなったアンドリュー・ウィギンズとの会話を明かしていた。
「彼は『レブロンをガードする時に好んでやっていることはある?』って感じで聞いてきた」
イグダーラはウィギンズにレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)の守り方を質問され「おいおい! 俺よりお前の方がずっといい能力があるじゃないか」と返すも、「オーケー。そう聞いてくるのはいいことだ」とし、こう続けた。
「彼(ウィギンズ)にいくつか助言したんだ。(レブロンを)完璧に止めることは重要じゃない。そんなことできないからね。彼には(得意ではない)スポットへ行った時に倒すんだ。それは(カリーが)シュートした時に始まる。ステフがシュートしたら、レブロンを探して、『どの位置をアタックすればアウト・オブ・バウンズになるか?』と考える。俺の頭ではいつもそのことが最初にあるんだ」
198センチ・97キロのイグダーラは、206センチ・113キロのレブロンと15年から18年まで4年連続でNBAファイナルでマッチアップしてきた。
当時クリーブランド・キャバリアーズに在籍していたレブロンは、チームの大黒柱でトップスコアラー兼プレーメーカーとして君臨。そこでイグダーラはレブロンに当たり負けせず、コンタクトされてもしっかりと受け止め、シュート態勢に入る寸前にボールをティップしてミスを引き出すなど、老獪なディフェンスを何度も見せていた。
ウィギンズ(201センチ・89キロ)が、レブロンの強烈なフィジカルと真っ向勝負するのは酷だけに、高いバスケIQと豊富な経験を持つイグダーラに助言を求めるのは正解だろう。
15年にウォリアーズでレブロン率いるキャブズを4勝2敗で下してチャンピオンとなったイグダーラは、同年夏に優勝トロフィーとファイナルMVPのトロフィーを引っ提げて、日本で"トロフィーツアー"を断行。そこでディフェンスの極意について「step ahead(一足先を読むこと)」と話していたことも印象的だった。
ウィギンズのような中堅選手にとっても、ウィングのポジションで長いキャリアを誇るイグダーラから学ぶ部分は多い。身体能力だけでなく、頭脳も用いて相手をスローダウンさせる男の存在も、今季のウォリアーズ好調の要因だろう。
文●秋山裕之(フリーライター)