昨年12月14日(現地時間)のニューヨーク・ニックス戦で、ゴールデンステイト・ウォリアーズのステフィン・カリーがレギュラーシーズンにおける通算3ポイント成功数でレイ・アレン(元シアトル・スーパーソニックスほか/2973本)を抜き、NBA歴代トップに立った。
NBAだけでなくバスケットボール界に3ポイントを普及させたカリーは、ゲームチェンジャー(変革者)としての地位を確立し、将来のバスケットボール殿堂入りは確実視されている。
今季も平均25.5点、5.2リバウンド、6.3アシスト、1.3スティールを記録。2月のオールスターゲームでは16本の3ポイントを含む50得点をあげてMVPに輝くなど、依然として一線級で活躍を続けている。ただ3月14日に34歳を迎え、メディアやファンはその後継者を探し求めているのも事実。
そこで頻繁に名前が挙がるのは、アトランタ・ホークスのトレイ・ヤングだ。オクラホマ大で得点とアシストで2冠を達成した男は、2018年のNBA入り。今季も含めて3年連続で平均25.0点、9.0アシスト以上と、23歳ながらすでにリーグ有数の実力者となっている。
もっとも、ウォリアーズのスティーブ・カー・ヘッドコーチ(HC)は27日にカリーとヤングについて「私は類似点があるとは思わない」と持論を展開していた。
「シュートレンジが広いことから、皆が2人を比べたがっているのは知っている。でも私はルカ(ドンチッチ/ダラス・マーベリックス)の方がトレイに似ていると思うね。あの2人は非常に近いゲームをしている。ハイスクリーン&ロールからステップバックスリーにフローター、リム回りへ入り込んで、ディフェンスを引き離したりして50点を奪えるからね」 ヤングとドラフト同期のドンチッチは、スロベニア出身のスーパースター。19年に新人王を獲得し、昨季まで2シーズン連続でオールNBA1stチーム入りを果たしている。
そしてウォリアーズの指揮官は、カリーがウォリアーズでこなしている役割やプレースタイルについてこう語っていた。
「このチームのためにステフがやっていることを誰かと比較することはできない。ステフのようにオブボールムーブができる選手はいないし、彼のようにショットを繰り出せる選手もいない。つまり、トレイとステフは全然違うと思うね」
ヤングとドンチッチは基本的にメインハンドラーであり、自らで切り崩していくか、味方との2メンゲームからプレーメーキングしている。
対して、ウォリアーズはカリーが常にボールハンドラーではなく、素早いパスや巧みなスクリーンなどを交えてオフェンスを展開しており、そのコンダクター役はカリーだけではなく、ドレイモンド・グリーンをはじめ、コート上にいる全員の連携で構築されている。
そのカリーは現在、左足の靭帯捻挫のため離脱中。27日に指揮官は「コートにはまだ立てていないが、順調に回復している」と話しており、プレーオフには間に合うことが予想される。
ウォリアーズはカリーのチーム。2018年以来の覇権奪取を狙う元王者はここ7戦で1勝6敗と黒星先行ながら、プレーオフへ向けて着々とプロセスを進めているに違いない。
文●秋山裕之(フリーライター)
NBAだけでなくバスケットボール界に3ポイントを普及させたカリーは、ゲームチェンジャー(変革者)としての地位を確立し、将来のバスケットボール殿堂入りは確実視されている。
今季も平均25.5点、5.2リバウンド、6.3アシスト、1.3スティールを記録。2月のオールスターゲームでは16本の3ポイントを含む50得点をあげてMVPに輝くなど、依然として一線級で活躍を続けている。ただ3月14日に34歳を迎え、メディアやファンはその後継者を探し求めているのも事実。
そこで頻繁に名前が挙がるのは、アトランタ・ホークスのトレイ・ヤングだ。オクラホマ大で得点とアシストで2冠を達成した男は、2018年のNBA入り。今季も含めて3年連続で平均25.0点、9.0アシスト以上と、23歳ながらすでにリーグ有数の実力者となっている。
もっとも、ウォリアーズのスティーブ・カー・ヘッドコーチ(HC)は27日にカリーとヤングについて「私は類似点があるとは思わない」と持論を展開していた。
「シュートレンジが広いことから、皆が2人を比べたがっているのは知っている。でも私はルカ(ドンチッチ/ダラス・マーベリックス)の方がトレイに似ていると思うね。あの2人は非常に近いゲームをしている。ハイスクリーン&ロールからステップバックスリーにフローター、リム回りへ入り込んで、ディフェンスを引き離したりして50点を奪えるからね」 ヤングとドラフト同期のドンチッチは、スロベニア出身のスーパースター。19年に新人王を獲得し、昨季まで2シーズン連続でオールNBA1stチーム入りを果たしている。
そしてウォリアーズの指揮官は、カリーがウォリアーズでこなしている役割やプレースタイルについてこう語っていた。
「このチームのためにステフがやっていることを誰かと比較することはできない。ステフのようにオブボールムーブができる選手はいないし、彼のようにショットを繰り出せる選手もいない。つまり、トレイとステフは全然違うと思うね」
ヤングとドンチッチは基本的にメインハンドラーであり、自らで切り崩していくか、味方との2メンゲームからプレーメーキングしている。
対して、ウォリアーズはカリーが常にボールハンドラーではなく、素早いパスや巧みなスクリーンなどを交えてオフェンスを展開しており、そのコンダクター役はカリーだけではなく、ドレイモンド・グリーンをはじめ、コート上にいる全員の連携で構築されている。
そのカリーは現在、左足の靭帯捻挫のため離脱中。27日に指揮官は「コートにはまだ立てていないが、順調に回復している」と話しており、プレーオフには間に合うことが予想される。
ウォリアーズはカリーのチーム。2018年以来の覇権奪取を狙う元王者はここ7戦で1勝6敗と黒星先行ながら、プレーオフへ向けて着々とプロセスを進めているに違いない。
文●秋山裕之(フリーライター)
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