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NBA

「スーパーエリートから二流になった」米識者がハーデンの“衰え”を指摘「ダンクを久しく見ていない」<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2022.04.09

識者から衰えを指摘されたハーデン。周囲の声を黙らせるためにはプレーオフで結果を残すしかない。(C)Getty Images

識者から衰えを指摘されたハーデン。周囲の声を黙らせるためにはプレーオフで結果を残すしかない。(C)Getty Images

 ジェームズ・ハーデンと言えば、トレードマークの“髭”とともに、リーグ屈指のスコアラーとしても知られる。

 今年2月にブルックリン・ネッツからフィラデルフィア・セブンティシクサーズへ移籍となり、ジョエル・エンビードと強力コンビを結成している。だが、元NBA選手でアナリストのジェイレン・ローズは、ハーデンの顕著な衰えを指摘している。

 ハーデンは左利きであるのに加え、巧みなボールハンドリング、相手をあざ笑うかのようなステップバックを駆使し、どのエリアからでもゴールを射抜いてくる。プロ入りから3年間をオクラホマシティ・サンダーで過ごし、2012-13シーズンからロケッツのエースとして大ブレイク。

 17-18シーズンからはジョージ・マイカン、ニール・ジョンストン、ウィルト・チェンバレン、ボブ・マッカドゥー、ジョージ・ガービン、マイケル・ジョーダン、ケビン・デュラント(現ブルックリン・ネッツ)に肩を並べる、史上8人目の3年連続得点王(30.4点→36.1点→34.3点)に輝き、18年にはMVPも受賞した。

 昨季途中にネッツへトレードとなり、デュラント、カイリー・アービングとビッグ3を形成したが、今年のトレード期限最終日にベン・シモンズらとの交換でシクサーズの一員となった。

 シクサーズはハーデン加入後17勝9敗。エンビードがリーグトップの平均30.4点、同5位の11.6リバウンド、4.2アシストとMVP級の活躍を見せており、必然的にリーグ優勝への期待も高まる。

 しかし、現在、米スポーツ専門局『ESPN』のアナリストを務めるローズはポッドキャスト番組『Jalen & Jacoby』で、シクサーズよりも昨季王者のミルウォーキー・バックスやボストン・セルティクスの方がポストシーズンで成功を収めると主張。その理由にハーデンを挙げた。
 
「ハーデンは下降線にあるプレーヤーだ。もうオールスタークラスではないと言っているわけじゃない。MVPレベルじゃないんだ。ヒューストン(ロケッツ)ではMVPレベルだったが、今は違う。ペイント内に入った時、以前は決めていたレイアップを外している。リーグのほかの選手以下かもしれない」

 そして、ローズによれば、エンビードとのコンビについてもハーデンは懸念材料を抱えているという。

「もうひとつの問題は、ハーデンはもう跳べない。ルカ・ドンチッチやステフィン・カリーもそうだが、彼らは時にダンクを決める。ただ、ハーデンがダンクをしているのを久しく見ていない。爆発力やフィニッシュ力の低下は、彼のプレーのダイナミクスを変えてしまった。以前はベースライン際からダンクもあった。でも、今はコーナーにいたらビッグマンへロブ(パス)を上げるか、相手がいなければイージーなレイアップに行くかだが、エンビードはペイント外にも出るスタイルで、ロブキャッチャーではない」

 キャリア13年目のハーデンに関しては、『ESPN』のブライアン・ウィンドホースト記者も「彼はスーパーエリートから二流になった。今も狡猾で、1試合平均10本近くフリースローを得ている。ただ、対戦相手が彼の左側に立って守ることが増えた。良いチームは良い守備戦術を備えており、ハーデンは苦しむだろう」と衰えを指摘していた。

 今季の平均22.2点はレギュラーに定着した2012年以降ではワーストで、FG成功率41.2%、3ポイント成功率33.3%と効率もダウン。32歳とまだ老け込む年ではないが、ハーデンは周囲の厳しい目を見返せるだろうか。

構成●ダンクシュート編集部
 
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