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NBA

ルビオ、ガソル弟……W杯戦士たちの序盤戦の活躍をチェック!【スペイン編】

鳴神富一

2019.11.13

ルビオは新天地サンズで平均13.6点、8.6アシストと躍動。W杯でMVPに輝いた勢いをシーズンに入っても維持している。(C)Getty Images

ルビオは新天地サンズで平均13.6点、8.6アシストと躍動。W杯でMVPに輝いた勢いをシーズンに入っても維持している。(C)Getty Images

 この夏に中国で開催された「FIBAワールドカップ2019」。

 3連覇を狙うアメリカは、レブロン・ジェームズやジェームズ・ハーデンらNBA屈指のスタープレーヤーが次々と出場を辞退。12人中11人が20代という若手中心のメンバーで臨むも、準々決勝でフランスに敗れ、歴代ワーストの7位に沈むという衝撃的な大会になった。

 アメリカ以外にも多くのNBAプレーヤーが母国の威信と誇りをかけて戦ったわけだが、今季のNBAをチェックする上で、オフにワールドカップに出場した選手たちにスポットを当てるのも面白いであろう。

 今回取り上げるのは優勝国のスペイン。大黒柱のパウ・ガソルをケガで欠いたこともあり、大会前の下馬評では優勝候補筆頭とは言えなかった。しかし、トロント・ラプターズでアシスタントコーチを務めるセルヒオ・スカリオーロ・ヘッドコーチがチームをしっかりと纏めあげ、アップテンポなバスケットを展開。他国を寄せ付けず、1次ラウンドから全勝で、2006年の日本大会以来2度目の頂点に立った。

 このスペイン代表には4人の現役NBAプレーヤーが参加していた。
 
 まず、いの一番に紹介しないといけないのは平均16.4点、6.0アシストの活躍で大会MVPに選出されたリッキー・ルビオだ。今夏にユタ・ジャズからフェニックス・サンズへ移籍した29歳の司令塔は、新天地でも先発の座を確保。開幕から8試合に出場しダブル・ダブルを5回達成するなど、平均13.6点、8.6アシストと早くもチームに不可欠な存在となった。華麗なパスワークに加え、鋭いドライブで得点を量産するなど変幻自在のプレースタイルで相手ディフェンスを翻弄しており、“コート上の魔術師”にふさわしいパフォーマンスを披露している。
 
 平均15.5点、5.5リバウンド、4.1アシストを稼ぎ、大会ベスト5に選ばれたセンターのマルク・ガソルは、NBAとワールドカップ優勝という“2冠”を達成。パーフェクトな1年を過ごし、ラプターズでフルシーズンを迎えた。ここまで10試合で平均6.5点、6.8リバウンド、0.50ブロックというスタッツはいずれも自己ワーストだが、34歳のベテランは時間が経つにつれて本来の力を取り戻し、ゴール下を支配していくだろう。

 次世代のスペイン代表を担う存在であるフォワードのヴィリーとファンのエルナンゴメス兄弟は、プレータイムを確保するために日々奮闘している状況だ。

 ワールドカップで平均7.0点を記録したヴィリーはシャーロット・ホーネッツに所属。10月26日のミネソタ・ティンバーウルブズ戦では19分のプレータイムを得たが、試合の勝敗がほぼ決した状態での出場だった。ファンは大舞台で平均10.5点、5.4リバウンドと好成績を収めるも、NBAでは開幕から好調を維持しているデンバー・ナゲッツでベンチを温めている。11月3日のオーランド・マジック戦では12分間コートに立ったものの、3得点、1ブロックに終わった。

 ともにキャリア3年目という若手だが、NBAは生存競争が激しい世界。短時間の出場でも存在感を誇示し、徐々に出番を増やしていきたいところだ。

 世界王者に輝いたスペインの選手たちがシーズンを通じてどんな活躍を見せていくのか、今後も注目していきたい。

文●鳴神富一(スポーツジャーナリスト)
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