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NBA

“寄せ集め感”を覆せず終焉したネッツに元NBA選手が持論「スーパースターが自前でなければ、“重量型ロースター”は難しい」<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2022.04.29

テイタム(左)ら主力の大半が生え抜きのセルティックスに対して、ネッツはデュラント(右)をはじめ多くが他球団から獲得したベテランだった。(C)Getty Images

テイタム(左)ら主力の大半が生え抜きのセルティックスに対して、ネッツはデュラント(右)をはじめ多くが他球団から獲得したベテランだった。(C)Getty Images

 ケビン・デュラントとカイリー・アービングの強力デュオを擁するブルックリン・ネッツは、プレーオフ1回戦でボストン・セルティックスにスウィープ負け(4連敗)を喫し、あっけなく今季を終えた。開幕前には“スーパーチーム”と騒がれたが、それが裏目に出たと元NBA選手のJJ・レディックは主張している。

 シーズン途中にジェームズ・ハーデンをフィラデルフィア・セブンティシクサーズにトレードしたネッツは、デュラントとアービングのデュオで勝負する形にシフト。ただ、アービングは新型コロナウイルスのワクチン未接種によりアウェーゲームのみの出場が終盤戦まで続き、デュラントも長期離脱と、2人が一緒にプレーしたのはわずか21試合にとどまった。

 ネッツはプレーイン・トーナメントを経て、第7シードでセルティックス(第2シード)とのプレーオフ1回戦へ進出。デュラントがシリーズ平均26.3点、アービングも平均21.3点を記録したが、セルティックスの連動したチームディフェンスにシリーズを通じて苦しめられた。デュラントが相手エースのジェイソン・テイタムやグラント・ウィリアムズの執拗なマークに苦戦した事実は、FG成功率38.6%、平均ターンオーバー5.25回と数字にも表われている。

 ネッツが114-115で敗れたシリーズ第1戦後、「デュラントはコート上でベストディフェンダーだった。デュラントが彼らのベストディフェンダーでいないといけない」とキーポイントに挙げていた元NBA選手のレディック。4連敗と一方的な結果に終わったことを受け、米スポーツ専門局『ESPN』の番組「GET UP」でロースター作りの“反動”について説いた。
 
「ネッツとレイカーズのシーズンを見れば、ロースター構築に関してほろ苦い教訓がある。選手層の薄い“重量型ロースター”は非常に難しいからだ。特にスーパースターが“自前”でない場合はね。

 セルティックスを見てみると、多くの選手がボストンにドラフト指名されている。それ以外のアル・ホーフォードもかつて(2016~19年)チームに所属していたし、ダニエル・タイスも(17~21年に)プレーしていた。

 第4戦に出場したネッツの選手で、ドラフト指名しているのはニック・クラクストン(2019年2巡目31位)だけ。シリーズで試練に立たされた時、2ウェイプレーヤー(攻守に優れた選手)が必要だ。ネッツにはそれが欠けていた。一方でセルティックスには、グラント・ウィリアムズ、ジェイレン・ブラウン、マーカス・スマート、ジェイソン・テイタム、アル・ホーフォードとロースターに厚みをもたらす2ウェイプレーヤーがいた」

 セルティックスは同シリーズに出場した9人のうち、ジェイレン・ブラウン(2016年1巡目3位)、ジェイソン・テイタム(17年同3位)、今季の最優秀守備選手賞に輝いたマーカス・スマート(14年同6位)、グラント・ウィリアムズ(19年同22位)、ロバート・ウィリアムズ三世(18年同27位)、ペイトン・プリチャード(20年同26位)と6人がドラフト指名で“育てた”選手。対するネッツは、今季プレーイン・トーナメントにさえ出場できなかったロサンゼルス・レイカーズ同様に、“寄せ集め感”が否めなかった。

 アービングは来季がプレーヤーオプションのため、早くもオフの動向に注目が集まっている。挽回を期すネッツは今夏、はたしてどのようなチーム作りを推し進めるのだろうか。

構成●ダンクシュート編集部
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