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NBA

エンビード不在で巻き返しを図るシクサーズ。反撃のカギは敵将も「ほかに類を見ない」と警戒する2年目のマキシー<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2022.05.06

大黒柱不在のなかチームトップの得点をあげてシクサーズを牽引するマキシー。ホームの第3戦で勝利に導けるか。(C)Getty Images

大黒柱不在のなかチームトップの得点をあげてシクサーズを牽引するマキシー。ホームの第3戦で勝利に導けるか。(C)Getty Images

 イースタン・カンファレンス首位(53勝29敗)のマイアミ・ヒートと4位(51勝31敗)のフィラデルフィア・セブンティシクサーズによるカンファレンス・セミファイナルは、2試合を終えてヒートが2連勝。現地時間5月4日に行なわれた第2戦では「いつだって勝つのはいいことだ。俺たちはホームでやるべきことをやっただけだがな」というジミー・バトラーの言葉通り、119-103でヒートが勝利を収めた。

 この試合ではバム・アデバヨが23得点、9リバウンド、バトラーが22得点、6リバウンド、12アシスト、2スティールと2枚看板が躍動。さらにヴィクター・オラディポが19得点、6リバウンド、タイラー・ヒーローが18得点、7リバウンドをマークし、選手層の厚さを見せつけた。

「プレーオフで勝利を重ねていくのは簡単なことではない。我々はいくつかいい流れを掴むことができた。特にディフェンス面でね。オフェンス面でも多少はいい流れがあったが、ディフェンスが勝利を引き寄せた要因だと見ている」

 ヒートのエリック・スポールストラHCは第2戦をそう振り返り、チームディフェンスが勝因であることを明かした。

 一方のシクサーズは、大黒柱のジョエル・エンビードを欠き、敵地で2連敗。そのなかで気を吐いているのがタイリース・マキシーだ。

 キャリア2年目の21歳は、初戦こそフィールドゴール6/15(成功率40.0%)の19得点に終わるも、第2戦では後半だけで23得点を奪い、終わってみればフィールドゴール12/22(同54.5%)でゲームハイの34得点。2試合を通じて両軍最多の平均26.5点をマークしている。
 
「我々には数多くの傾向をもとにしたゲームプランがある。だがあの男のスピードはほかに類を見ない。フィルムを観て、頭に入れてから抑え込もうとしても難しく、彼はとてつもない自信を手にしてしまった。彼のペイントアタックとディフェンスを分断する能力は、我々が阻止しなければならない要素となっている」

 スポールストラHCは6日に敵地で行なわれる第3戦に向けて、マキシーをスローダウンさせられるかがポイントだと語る。

 シクサーズからすれば、右眼窩骨折と軽度の脳震盪のため離脱しているエンビードは5日の時点で練習もできておらず、次戦も欠場の見込み。ここまでジェームズ・ハーデンはフィールドゴール成功率39.3%の平均18.0点に7.0アシストと乗り切れていないこともあり、マキシーと同24.0点を記録するトバイアス・ハリスの活躍がカギとなりそうだ。

「相手はハーフコートで、誰も彼の前にスライドすることができていない。彼は特にファストブレイクでリング下へ侵入することができる。リバウンドを奪ってプッシュする時、みんなが真っ先に彼を探し、彼は攻撃をクリエイトしてくれるんだ」

 ハリスがそう話したように、マキシーはエンビード不在のシクサーズにおいて頼れるファーストオプションとなっている。ホームで迎える第3戦でシリーズ初勝利を飾ることができるかは、この21歳の活躍にかかっていると言えるだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)
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