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欧州のバスケ育成はアメリカより上?ヨキッチやドンチッチをその理由に挙げるメディアにデュラントが反論<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2022.05.16

ヨキッチ(左)やドンチッチ(右)を輩出した欧州の育成は確かに優れているのかもしれない。ただ、彼らが例外的な選手なのもまた事実だ。(C)Getty Images

 今季のNBAはセルビア人のニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)が2年連続でシーズンMVPに輝いた。

 その前は、ギリシャ国籍のヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)がこちらも2連覇。さらに今年の投票結果を見てみると、上位5位以内にヨキッチ、アデトクンボ、そしてスロベニア人のルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)が選出され、巷では最近のNBAでの"欧州勢の席巻ぶり"が話題となっている。

 基礎的なテクニックや、バスケットボールを理解するための戦術を早くから教える欧州での育成法をその理由に挙げる声もあり、Podcastなどを展開するバスケットボールメディア『Ball Don’t Stop』も、インスタグラムに次のような投稿をしている。

「ニコラ・ヨキッチやルカ・ドンチッチのような選手がリーグを席巻しているのは、ヨーロッパの育成システムのおかげだ。そこでは技術に重点を置き、ゲームにおける正しいプレー方法を学ぶことができる。
 
 北米では、多くの若いフーパーたちが、若い頃から影響力を追い求めたり、ショーケースのスケジュールにはまり込み、自分のプレーに欠けている部分がある状態でリーグに参戦することになっている。NBAのゲームは、多くのヨーロッパの選手にとって、とてもイージーだ。彼らは育ってきたバックグラウンドが違う。磨かれてプロになっているからね」

 この意見に疑問を投げかけたのが、ケビン・デュラントだ。

「どれだけの外国籍選手が、ここへ来ても生き残れずにまた帰っていくと思う?ルカやヨキッチのような例外的な選手を使って、自分の意見の正当性を主張しているように思えるね」

 ドンチッチやヨキッチは"規格外"での選手であって、欧州出身プレーヤーを象徴する例に挙げるのには無理があるという主旨のコメントを投稿したデュラント。21歳で出場した2010年の世界選手権(現ワールドカップ)以来、チームUSAのリーダーとして国際バスケットボールシーンに身を置いてきたデュラントは、他の多くのアメリカ人選手よりも圧倒的に国外の選手たちのプレーを肌身で経験している。
 
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議論には欧州出身のフォーニエも参戦