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「自分の番をずっと待っていた」名門セルティックスで不動の地位を確立したスマート「今の状況を有難く思う」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2022.05.21

セルティックス生え抜きのスマートは、ヒートとの第2戦、あと1リバウンドでトリプルダブルという活躍で勝利に大きく貢献した。(C)Getty Images

 現地時間5月19日、ボストン・セルティックスがマイアミ・ヒートとのイースタン・カンファレンス・ファイナル第2戦に127-102で快勝し、シリーズ戦績を1勝1敗のタイとした。

 セルティックスは第1クォーター残り5分41秒の時点で、ヒートに13-18とリードを許していたものの、ロバート・ウィリアムズ三世に代えてグラント・ウィリアムズを投入すると、そこから57-27のランで一気に試合を決めてみせた。

 見事勝利したセルティックスでは、エースのジェイソン・テイタムが27得点、5リバウンド、5アシスト。さらにジェイレン・ブラウンが24得点、8リバウンド、ウィリアムズが19得点、新型コロナウイルスの安全衛生プロトコルから復帰したアル・ホーフォード、ペイトン・プリチャードがそれぞれ10得点と続いた。

 そして第1戦を捻挫のため欠場していたマーカス・スマートが5本の3ポイント成功を含む24得点に9リバウンド、12アシスト、3スティール、1ブロックと多彩な活躍で勝利に大きく貢献。

 セルティックスが誇るハート&ソウルは、チーム最古参の在籍8シーズン目。身長190㎝、体重99㎏のパワーガードで、14年のドラフト1巡目6位で入団後、毎年プレーオフにも出場してきた。

 もっとも、彼はセルティックスで常に先発を務めてきたわけではない。過去にはアイザイア・トーマス(現シャーロット・ホーネッツ)やカイリー・アービング(現ブルックリン・ネッツ)、ケンバ・ウォーカー(現ニューヨーク・ニックス)といったオールスター級の選手が在籍していたこともあり、ガードの両ポジションの兼任や、先発と控えを行き来するなど起用法が定まらずにいた。
 
 それでも、昨季から先発PG(ポイントガード)に定着し、今季はディフェンシブ・レーティングでリーグトップの106.2を記録し、キャリア初の最優秀守備選手賞を獲得。さらには20日に発表されたオールディフェンシブチームでも文句なしの1stチーム入りと、リーグ最高級のディフェンダーとしての評価を確立した。

 第2戦を終えた後の会見で、PGとしての実力に懐疑的な人々をどう納得させるかを聞かれたスマートはこう切り返していた。

「俺は(そのことについて)もの凄くプライドを持っている。キャリアを通してやっていることだ。このチームにドラフトされてからずっとだ。自分の番になることをずっと待っていた」

 スマートはこの試合で24得点をあげただけでなく、両チーム最多の12アシストも記録。自身のパスからチームメイトはフィールドゴール12/15の成功率80.0%という高確率で沈めただけでなく、ターンオーバーも1本と申し分ないパフォーマンスを披露した。
 
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「自分の今の状況を有難く思っている」とスマート

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