NBA

カリーをお手本に急成長!スプラッシュ・ブラザーズの“三男”ジョーダン・プールがGリーグで学んだこと<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2022.05.29

プールはエースのカリーを見本にステップアップ。3年目の今季はチーム3位の平均18.5点を叩き出し、MIP投票では4位に入った。(C)Getty Images

 ウエスタン・カンファレンスのファイナルはゴールデンステイト・ウォリアーズがダラス・マーベリックスを4勝1敗で撃破。サンフランシスコの雄は、2019年以来3年ぶりにファイナルに進出する。

 今回のポストシーズンでは、NBA3年目のガード、ジョーダン・プールがプレーオフ初出場とは思えない素晴らしいパフォーマンスを披露している。

 デンバー・ナゲッツと対戦したファーストラウンドでは故障明けのステフィン・カリーに代わってスターターを任され、初戦でゲームハイの30得点。その後も29、27得点と続き、プレーオフデビューから3戦連続で25点以上をマークしたNBA史上16人目の選手に。ウォリアーズの選手としては、1960年のウィルト・チェンバレン以来の快挙だったという。

 ベンチスタートに回ったメンフィス・グリズリーズとのカンファレンス準決勝以降も、得点(18.4)とアシスト(4.5)はいずれもチーム3位、フリースロー成功率91.7%は1位と貴重な戦力となっている。ルーキーイヤーから毎年Gリーグのサンタクルーズ・ウォリアーズに送られていたプールにとっては大躍進だ。

 しかし、このGリーグでの経験こそが自分に自信をつけたと、プールはポッドキャストで語っている。

 元フィラデルフィア・セブンティシクサーズのエバン・ターナー、そしてウォリアーズの先輩アンドレ・イグダーラがホストを務める番組『Point Forward』に招かれたプールは、ルーキーイヤーの19年12月、Gリーグ行きを告げられた時の思いを率直に語った。
 
「あの時は自分に(Gリーグに行く)必要があるとはまったく思っていなかった」

 ミシガン大出身のプールは、2019年ドラフトの1巡目28位でウォリアーズから指名されてNBAにデビューしたが、1年目は57試合に出場も先発は14試合でパフォーマンスにも波があった。

「自分はうまくプレーできていると感じていた。ただ十分な機会が与えられていないだけだと……」

 ルーキーイヤーにGリーグでプレーしたのは3試合のみだったが、翌年はさらに長い期間を同リーグで過ごすことになると、プールはようやく、「ここでよりスキルを身につけて、NBAに戻ってやる!」というモチベーションを見出したのだという。

「よし、行ってやる。でも最終的にはまた必ず(トップチームに)戻る。そして重要な局面を担う選手になる。今はそのための機会だ。だからとにかく、ここでは何がなんでも全試合に勝つ。接戦になったら、僕がシュートを打つ。自分が決定的なプレーをして、ほかのみんなを巻き込んでやる」(プール)

 そのために彼がトライしたのが、試合中にカリーのルーティンを真似してみることだった。
NEXT
PAGE
カリーをお手本にGリーグで安定感を身につける