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「勝つためにどんなことでもやる」2戦連続で最高のプレーを見せたウィギンズ「一生に一度の機会だから興奮している」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2022.06.14

エースのカリーが不振のなか、ウィギンズは26得点、13リバウンドを奪取。ファイナルでは5試合で平均18.4点、9.4リバウンドをマークしている。(C)Getty Images

 6月13日(日本時間14日、日付は以下同)。ボストン・セルティックスとゴールデンステイト・ウォリアーズによるNBAファイナル第5戦がチェイス・センターで開催され、ホームのウォリアーズが最終クォーターに突き放して104-94で勝利を収めた。

 ホームの大歓声を受けて序盤から効果的に加点したウォリアーズに対して、セルティックスはここまでの4戦で成功率42.4%を誇った3ポイントがリングに嫌われ、なんとファイナル史上ワーストとなる12本連続でミス。

 だが第2クォーター残り4分34秒にジェイソン・テイタムが長距離砲を沈めると、アル・ホーフォード、マーカス・スマートも立て続けに沈めて今度は8本連続で成功。『Elias Sports Bureau』によると、試合開始から12本連続ミス、8本連続成功はいずれもファイナル新記録と、セルティックスは一夜にして天国と地獄を味わうことに。

 試合はウォリアーズのアンドリュー・ウィギンズが26得点、13リバウンド、2スティール、クレイ・トンプソンが21得点、2スティール、ステフィン・カリーが16得点、8アシスト、ゲイリー・ペイトン二世が15得点、5リバウンド、3スティール、ジョーダン・プールが14得点、ドレイモンド・グリーンが8得点、8リバウンド、6アシストをマーク。

 ここまで4戦連続で5本以上の3ポイントを決めていたカリーは9本すべてミス、チーム全体でも成功率22.5%(9/40)と苦しむなか、ウォリアーズはウィギンズやペイトン二世、グリーンのアタックでつなぎ、ペイントエリアの得点で50-36とセルティックスに大差をつけた。
 
 得点とリバウンドでチーム最多の数字を残し、守備でも好プレーを見せたウィギンズは、試合のアプローチ方法について「リムを攻めるだけ。それが僕のマインドセットで、アグレッシブに攻め続けることだった」と明かし、「僕は勝つためにどんな小さなことでもやろうとしている。得点、リバウンド、ディフェンス、勝利のためにコート上で求められることなら何でもやるつもりだ」と語った。

 さらにこの日のヒーローは「一生に一度の機会だから興奮している。このチームのために一生懸命プレーしてきた。だから興奮しているよ」と自身のパフォーマンスに満足している様子だった。

 ウィギンズは今ファイナルで平均18.4点、9.4リバウンドを奪取。とりわけ第4戦(17得点、16リバウンド)、5戦の2試合は平均21.5点、14.5リバウンドとエース級の数字を残し、ウォリアーズの連勝に大きく貢献した。

 ミネソタ・ティンバーウルブズ時代は平均20点以上を稼いだこともあったウィギンズだが、バスケットボールに取り組む姿勢を批判されたこともあった。しかし、ウォリアーズ移籍後は新たな役割を受け入れ、今プレーオフでは自身が勝利のためにプレーできる選手であることを証明している。

 心身ともに大きな成長を遂げた27歳のカナダ人フォワードが今日のような活躍を続けられれば、ウォリアーズは次の試合で優勝を決められるかもしれない。
 
文●秋山裕之(フリーライター)
 
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