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「ダンカンを思い出させる」カーHCがカリーを元同僚のレジェンドと比較「人間性や謙虚さが組み合わさっている」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2022.06.19

カーHCはカリーをスパーズ時代の同僚ダンカンと比較。プレースタイルは大きく異なるが、2人には共通点があるという。(C)Getty Images

 4年ぶりにNBAの頂点に立ったゴールデンステイト・ウォリアーズ。このチームの中心選手といえば、天才シューターで今年のファイナルMVPに輝いたステフィン・カリー、クイックリリースでネットを射抜くピュアシューターのクレイ・トンプソン、コートの両サイドでインパクトを残す、熱血リーダーのドレイモンド・グリーンと3人の生え抜き戦士の名が挙がる。

 しかし、今季は攻守両面で貴重な働きを見せたアンドリュー・ウィギンズ、身体を張って奮戦を続けたケボン・ルーニー、得点源の1人となったジョーダン・プール、激しいディフェンスとハッスルプレーが光ったゲイリー・ペイトン二世、スペーシングと3ポイントで貢献したオットー・ポーターJr.といった"初優勝組"の働きも光っていた。

 ウォリアーズのスティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)はベテラン陣の働きを称えつつ、今回優勝した要因を「ディフェンスだ」と語る。

「このシリーズではディフェンスが目覚ましかった。特に最後の3試合(4~6戦)はね。このグループを本当に特別なものにしているのは、ステフのディフェンス面で見せる激しさと万能性だと思う。それにリーダーであるドレイモンドもそうだし、ウィグズ(ウィギンズ)、ゲイリー・ペイトン(二世)、クレイの復帰、ルーン(ルーニー)の台頭、それら全てだと思う。

 キャリアの中で、私がそういったチームの一員でいられることは本当に幸運だ。そして、私はこれまでエリートなディフェンス抜きにチャンピオンシップを勝ち取ったチームを見たことがない。我々がこのプレーオフで危機を乗り越えた要因はディフェンスだった」
 
 選手として5度、指揮官として4度と、NBAで計9度目のチャンピオンとなったカーHCは、カリーをサンアントニオ・スパーズ時代の同僚と比較していた。

「ステフは多くの点でティム・ダンカンを思い出させてくれる。あの2人は全く違う選手ではあるけど、人間性やタレント、謙虚さ、(彼らが持つ)自信という素晴らしい要素が見事に組み合わさっている。だからこそ、皆が彼のために勝ちたいと思わせてくれる。ステフはまさに、サンアントニオ時代のティミーなのさ」

 ダンカンはグレッグ・ポポビッチHCの下、スパーズ一筋19シーズンをプレーし、5度の優勝すべてに主力として貢献。デイビッド・ロビンソン、トニー・パーカー、マヌ・ジノビリ、カワイ・レナード(現ロサンゼルス・クリッパーズ)といった強力なチームメイトたちがいたとはいえ、ダンカンがこのチームの根幹となっていたことは周知の事実。

 長い時間を共にプレーし、チームとしてのケミストリーを醸成させて覇権争いに長期間参戦しているという点で、ウォリアーズとスパーズには似通う部分があると言えるだろう。

 カリーにトンプソン、グリーンという強固な核を擁するウォリアーズが、今後もファイナルまで勝ち上がって優勝を重ねることができるのか。オフシーズンの動向からも目が離せない。

文●秋山裕之(フリーライター)
 
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