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パリ五輪のバスケ競技が直面する“会場問題”。仏代表選手たちが「こんな環境でプレーさせようというのか?」と猛反発<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2022.07.16

パリ五輪のバスケ競技が適した環境で行なわれない可能性に、自国開催のゴベア(右)やフォーニエ(左)は猛反発している。(C)Getty Images

 現在インドネシアでは男子バスケットボールのアジアカップが開催中だ。日本は初戦でカザフスタンを100-68、2戦目はシリアに117-56で圧勝し、連勝を飾った。

 来年にはインドネシア、フィリピン、そして沖縄を会場にFIBAワールドカップ、そしてその翌年にはパリでのオリンピックが控えている。開催国枠ではなく自力で出場権を獲得するためにも、アジアカップではぜひとも優勝目指して戦ってほしいところだ。

 そのパリ五輪だが、現地ではバスケットボールのグループリーグの会場問題で大きく揺れている。準々決勝からの決勝トーナメントは、パリ市内にある最大の室内競技場ベルシー・アリーナでの開催が確定しているのだが、グループリーグの開催地が問題視されている。

 当初はパリ北部に新しく建設する室内競技場を使用する予定だったのが、コロナ禍の影響でメインスポンサーの会社が経営難となり、この新アリーナの建設プラン自体が白紙に戻ってしまい、大混乱に陥っている。
 
 この会場を使用する予定だった競技はほかにもあったため、そこからは空いた会場をなんとかゲットしようと、熾烈な椅子取りゲーム状態に。バスケットボールも、グループ戦からベルシー・アリーナで開催できればそれに越したことはないのだが、そうなると同期間中にそこを使う予定だった体操競技をほかに移さなければならない。ではパリ郊外の別のアリーナへ、となった場合も、やはりそこを使用することになっていたバドミントンが居場所を失う……といった具合なのだ。

 そこでパリ五輪の組織委員会が出した答えは、市内南端ポルト・ド・ベルサイユにある見本市会場に特設コートを設ける案だ。ここは、日本でも人気のチョコレートの祭典『サロン・ド・ショコラ』などが開催される、パリで一番代表的な見本市会場だ。

 見本市会場がスポーツの会場として使用されるのは、決して珍しい策ではない。2012年のロンドン五輪でも、ボクシング、卓球、柔道など7競技がExCelエキシビジョンセンターで行なわれ、昨年の東京大会でも、東京国際フォーラムがウエイトリフティングやパラリンピックのパワーリフティングの舞台となった。
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代案会場にNBA選手たちが猛反対