この夏、中国で開催されたFIBAワールドカップ。
大会を制したのは2006年の覇者スペインだった。当時のエース、パウ・ガソルは不参加だったが、パウの弟で万能ビッグマンのマルクや円熟味を増した司令塔のリッキー・ルビオらが中心となり、1次ラウンドから安定した戦いぶりで2度目の栄冠を掴んだ。
全員がNBA選手のアメリカを除くと、出場31か国中17か国にNBA選手が所属していた。今回取り上げるのは東欧の雄、セルビアだ。
大会前に優勝候補に挙げられていた強豪は、1次ラウンド、2次ラウンドと優勝したスペインに敗れたものの、他の試合では強さを見せつけ、アルゼンチンとの準々決勝に挑んだ。
第3クォーターまで67-68と好勝負を演じていたが、相手の厳しいディフェンスに流れを掴めず、最終クォーターで突き放され10点差で敗退。3大会連続のベスト4入りはならなかった。それでも順位決定戦ではアメリカとチェコとのクロスゲームを制し、5位でワールドカップを終えている。
近年のセルビアは優秀なタレントをNBAに送り込んでおり、大会では5人のNBAプレーヤーがコートに立った。
まずはワールドカップでダブルエースを務めた2人を紹介しよう。
1人目はデンバー・ナゲッツでエースを務めるニコラ・ヨキッチ。ワールドカップでは平均11.5点、7.5リバウンド、4.8アシストも、NBAではそれを上回る平均16.4点、8.8リバウンド、6.0アシストと多彩な働き。11月8日のフィラデルフィア・セブンティシクサーズ戦では、第4クォーターに16得点と大暴れ。1点を追う残り2秒には決勝弾をねじ込み、チームを劇的な逆転勝利に導いている。
2人目はワールドカップで大会2位の平均22.9得点を稼いだボグダン・ボグダノビッチだ。サクラメント・キングスで迎えた3年目の今季はベンチから全12試合に出場し、平均13.6点、4.6アシストを奪取。11月13日のボートランド・トレイルブレイザーズ戦ではシーズンハイの25得点、10アシスト、4スティールと躍動した。ただ本人は出番の少なさに不満を訴えており、今季中にトレードで他球団に移る可能性もゼロではない。
そのボグダノビッチと同じキングスでスタメンに名を連ねているのが、ネマニャ・ビエリツァ。昨季、キングスに加入した31歳のストレッチ4は、ここまで平均10.4点、5.9リバウンド、3ポイント成功率はリーグ6位の50%(24/48)とベテランらしい活躍を見せている。
ダラス・マーベリックスには31歳のボバン・マリヤノビッチが在籍。今夏にダラスに加入した221cmのビッグマンは、国際大会でもNBAでも限られた出番のなかで自身の役割を全う。新天地では平均7.0点、5.0リバウンドとロールプレーヤーとして先発陣の負担を軽減している。
最後は今夏にトルコのフェネルバフチェからメンフィス・グリズリーズにやってきたマルコ・グドゥリッチだ。渡邊雄太のチームメイトは、ルーキーながら開幕から全試合に出場。まだリーグの水に馴れている段階のため試合によって波は激しいが、11月14日のシャーロット・ホーネッツ戦では19分間で17得点をあげて勝利に貢献した。若いチームの中で実績を積んでいけば、今後はプレータイムとともに役割も増えていくだろう。
文●鳴神富一(スポーツジャーナリスト)
大会を制したのは2006年の覇者スペインだった。当時のエース、パウ・ガソルは不参加だったが、パウの弟で万能ビッグマンのマルクや円熟味を増した司令塔のリッキー・ルビオらが中心となり、1次ラウンドから安定した戦いぶりで2度目の栄冠を掴んだ。
全員がNBA選手のアメリカを除くと、出場31か国中17か国にNBA選手が所属していた。今回取り上げるのは東欧の雄、セルビアだ。
大会前に優勝候補に挙げられていた強豪は、1次ラウンド、2次ラウンドと優勝したスペインに敗れたものの、他の試合では強さを見せつけ、アルゼンチンとの準々決勝に挑んだ。
第3クォーターまで67-68と好勝負を演じていたが、相手の厳しいディフェンスに流れを掴めず、最終クォーターで突き放され10点差で敗退。3大会連続のベスト4入りはならなかった。それでも順位決定戦ではアメリカとチェコとのクロスゲームを制し、5位でワールドカップを終えている。
近年のセルビアは優秀なタレントをNBAに送り込んでおり、大会では5人のNBAプレーヤーがコートに立った。
まずはワールドカップでダブルエースを務めた2人を紹介しよう。
1人目はデンバー・ナゲッツでエースを務めるニコラ・ヨキッチ。ワールドカップでは平均11.5点、7.5リバウンド、4.8アシストも、NBAではそれを上回る平均16.4点、8.8リバウンド、6.0アシストと多彩な働き。11月8日のフィラデルフィア・セブンティシクサーズ戦では、第4クォーターに16得点と大暴れ。1点を追う残り2秒には決勝弾をねじ込み、チームを劇的な逆転勝利に導いている。
2人目はワールドカップで大会2位の平均22.9得点を稼いだボグダン・ボグダノビッチだ。サクラメント・キングスで迎えた3年目の今季はベンチから全12試合に出場し、平均13.6点、4.6アシストを奪取。11月13日のボートランド・トレイルブレイザーズ戦ではシーズンハイの25得点、10アシスト、4スティールと躍動した。ただ本人は出番の少なさに不満を訴えており、今季中にトレードで他球団に移る可能性もゼロではない。
そのボグダノビッチと同じキングスでスタメンに名を連ねているのが、ネマニャ・ビエリツァ。昨季、キングスに加入した31歳のストレッチ4は、ここまで平均10.4点、5.9リバウンド、3ポイント成功率はリーグ6位の50%(24/48)とベテランらしい活躍を見せている。
ダラス・マーベリックスには31歳のボバン・マリヤノビッチが在籍。今夏にダラスに加入した221cmのビッグマンは、国際大会でもNBAでも限られた出番のなかで自身の役割を全う。新天地では平均7.0点、5.0リバウンドとロールプレーヤーとして先発陣の負担を軽減している。
最後は今夏にトルコのフェネルバフチェからメンフィス・グリズリーズにやってきたマルコ・グドゥリッチだ。渡邊雄太のチームメイトは、ルーキーながら開幕から全試合に出場。まだリーグの水に馴れている段階のため試合によって波は激しいが、11月14日のシャーロット・ホーネッツ戦では19分間で17得点をあげて勝利に貢献した。若いチームの中で実績を積んでいけば、今後はプレータイムとともに役割も増えていくだろう。
文●鳴神富一(スポーツジャーナリスト)