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イスラエルを牽引するアブディヤ、ヤニス以上の注目を集めたフォンテッキオ……ユーロバスケット2戦目は若武者の躍動が目立つ結果に<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2022.09.05

今季NBAデビュー予定のイタリアのフォンテッキオは、激闘となったギリシャとの一戦でヤニス以上に注目を集めるパフォーマンスを見せた。(C)Getty Images

 グループリーグ2試合目を終えたユーロバスケットでは、各グループとも上位2チームが無敗をキープしている。そのうちのひとつ、グループDのイスラエルで目覚ましい活躍を見せているのが、ワシントン・ウィザーズで八村塁とチームメイトのデニ・アブディヤだ。

 オーバータイムにもつれこんだ初戦のフィンランド戦では約37分、2戦目のオランダ戦は約32分と、いずれもチーム最長のプレータイムを記録。フィンランド戦では23得点、15リバウンドのダブルダブル、オランダ戦でもゲームハイの21得点と、21歳にしてチームを牽引している。

 フィンランド戦では、今夏にドノバン・ミッチェルとのトレードでユタ・ジャズ入りが決まったパワーフォワードのラウリー・マルッカネンとのマッチアップが見ものとなった。

 身長213cmのマルッカネンに対し、203cmと一回り小さいアブディヤはパワー負けする場面もあり、国際マッチでは珍しい30得点超え(33得点)を許した。しかし、自軍の攻撃時にはしなやかな身のこなしで相手の密集地帯に切り込み、鮮やかにバスケットを射抜きいたほか、オーバータイム残り4秒の山場では相手の3ポイントをブロック。1人であらゆるセクションをカバーする獅子奮迅の活躍で、欧州からワールドカップ一番乗りを決めている好調フィンランドを破った。
 
 2試合目のオランダ戦は、一時相手に11点のリードを許したが、最終クォーター残り3分、62-61と1点差に迫った勝負所でアブディヤがファウルを誘っての3点プレー&長距離砲で一挙6点を奪取し逆転。そのリードを保ったイスラエルが、74-67で勝利を手にした。

 イスラエルは、ホスト国として出場した前回の2017年大会も1勝4敗の21位と、近年は国際舞台で上位進出する姿は見られていない。だがこの大会の後、世代交代したチームが成長。このユーロバスケットの予選も、スペインと同居したグループで彼らを破り、首位で通過する快進撃を見せていた。

 マッカビ・テルアビブをユーロリーグ優勝に導いた名将デイビッド・ブラッドの息子で、アルバ・ベルリンでプレーするポイントガードのタミール・ブラッド(25)をはじめ、タレントも育っているチームにのなかに、ビッグマッチに強い若き司令塔アブディヤが加わったことで一筋縄ではいかないチームに変貌。6日のグループ最強国セルビアとの対戦で、真の力が試されそうだ。
 
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ヤニス以上に注目を集めたNBAデビュー前の若武者