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八村塁「最高の5日間」とNBAジャパンゲームズに手応え。ウィザーズHCも「ハチムラの持つ個性を確認できた」と評価<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2022.10.03

凱旋試合となった八村はポテンシャルを遺憾なくコートで発揮した。(C)Getty Images

 3年ぶり通算8度目となった「NBAジャパンゲームズ2022」は、9月30日からの3日間で6万人以上を動員して幕を下ろした。

 試合はゴールデンステイト・ウォリアーズがワシントン・ウィザーズ相手に2連勝を飾り、昨季王者の実力を見せた。ウィザーズでは第1戦でウィル・バートン、第2戦ではブラッドリー・ビールが欠場も、八村塁にクリスタプス・ポルジンギス、カイル・クーズマ、モンテ・モリスという主軸が2戦ともコートへ立ち、第2戦では先発陣がいずれも20分以上に出場した。

 とくに2019年のドラフトで日本人史上初の1巡目(9位)指名されてウィザーズ入りした八村は、初戦で13得点に9リバウンド、第2戦でも11得点、10リバウンドのダブルダブルをマーク。ウィザーズのウェス・アンセルドJr.HC(ヘッドコーチ)は「我々は皆、この経験を本当に楽しんでいると思う」と切り出し、今回のジャパンゲームズを次のように振り返っていた。

「もちろん、ルイ・ハチムラはその大きな部分を占めている。彼ら(日本のファンたち)はルイの周りに集まっていたし、彼はずっと注目を浴びていた。ルイの持つ個性というものをますます目にすることができた。

 ホームで彼はハッピーだし、ここにいられて楽しんでいたよ。ルイを獲得してからというもの、我々は温かく歓迎されている。この旅でさらに楽しいものになったはずだ。…確かに過密日程ではあったが、その価値は十分にあったね」

 NBAが発表した第1戦の観客数は2万497人、第2戦では2万647人でチケットはいずれも完売。プレシーズンとはいえ、1日のサタデーナイトを含めたこの3日間は大盛り上がりを見せた。八村も「この旅が成功してすごく嬉しいです。最高の5日間でした。それと同時に、コート外で僕らはいろんなことをしました。僕としてはチームメイトたちと自分の国のカルチャーを共有できました。また戻って来れるといいですね」と手応えを感じていた。
 
 第2戦終了後、すぐにアメリカへ帰国した両チームには、これからプレシーズンゲームを数試合こなし、レギュラーシーズン開幕戦を迎える。日本とワシントンD.C.の時差は13時間。選手たちやコーチ陣は、これからレギュラーシーズン開幕に向けて時差ボケから抜け出し、米国時間へ再び適応することになる。

「僕が言えるのは、睡眠が必要なら寝る。起きている必要があるなら、そうすればいいということです。僕としては簡単なことです。でも中にはそうするのが難しい人がいるのも知っています」と八村は言うものの、ポルジンギスも特に心配はしていないようだ。

「もちろん、僕ら全員ができるだけ早くリズムを取り戻していかないといけない。けどこのチームはみんな若いし、全員がアスリートなんだ。D.C.へ戻ってもすぐさまアジャストできると思う。それに次の試合まで十分な日数がある。だから問題にはならないさ。前へ進んでいく上で言い訳になることもないさ」

 ポルジンギスがそう話したとおり、次戦として組まれているウィザーズのプレシーズンゲームは10日のシャーロット・ホーネッツ戦。そこまで十分な時間があるため、休養を挟んで練習を重ねていけばアジャストできるだろう。

 ジャパンゲームズで先発出場した八村にとって、今季は勝負の年であり、このままスターターの一角を守ることができるかも注目していきたい。

文●秋山裕之(フリーライター)

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