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「偉大な存在になるにはスキル以上のものが必要」と語ったアデトクンボが持つ“1番の才能”とは?<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2022.10.07

攻守で試合を支配することができるアデトクンボだが、自身が持つ“1番の才能”とは何なのか。(C)Getty Images

 ミルウォーキー・バックスのヤニス・アデトクンボは、歴代でも指折りのオールラウンダーだ。すでにシーズンMVP、ファイナルMVP、リーグ優勝、最優秀守備選手賞、NBA75周年記念チームに輝くなど数々の功績を残してきたが、本人は「偉大になるためにはスキル以上のものが必要」と見解を述べている。

 2013年にNBA入りした当初、ヤニスは線が細く、ルーキーイヤーは77試合中スタメン出場23試合のみとベンチ起用がメインだった。

 それでも2年目の14-15シーズンに先発の座を掴み、4年目には平均20点をクリア。17-18シーズンからは平均26点、10リバウンド以上を5年連続でマークし、攻守両面で現役トップクラスの力を発揮している。

 2019、20年に史上12人目となる2年連続シーズンMVPに輝き、プロ8年目の21年には念願のリーグ優勝を果たすなど、名実ともにトップスターの仲間入りを果たしたヤニス。

 3ポイントをはじめ、ロングジャンパーの精度に課題はあるが、その分、ゴールへのアタックに関しては迫力、精度、バリーエションともに磨きがかかっている。元NBA選手で、アナリストを務めるケンドリック・パーキンスは「今のNBAで最も支配的な選手」と称するほどだ。
 
 現時点ですでに、NBAの歴史に名を残す運動能力とフットワークを備えた多才なビッグマンだが、ヤニス本人は『SiriusXM NBA Radio』で、「偉大な存在になるにはスキル以上のものが必要だ。地球上で最も熟練した選手でも、NBAを作り上げることはできない。NBAはスキルで構成されていないし、もっと多くのことが必要だ」と持論を述べた。

「(ロサンゼルス・レイカーズの)レブロン・ジェームズはこのリーグで20年目を迎える。彼に関しては、一貫性について考えないといけない。20年間素晴らしいんだ。MJ(マイケル・ジョーダン)やコビー(ブライアント)のことを振り返ると、まるで憑りつかれたように成長を追い求めていた」

 レブロンは通算得点とアシストの両部門で唯一トップ10入りしている生きるレジェンドだが、"キング"としてNBA入りした2003年からハイパフォーマンスを続けていることに、ヤニスは敬意を表している。身体能力や技術だけでなく、"プラスアルファ"が必要だと考えているようだ。

「僕は最も技術が高いとは言えない。最高のシューターでも、ドリブラーでもないけど、いいパサーだと思う。過小評価されているパス……それが僕の一番の才能だ。でも、僕を周囲よりも一歩上に行かせてくれるのは、スキルではなく、ゲームに対する飽くなき向上心と規律だ」

 現在27歳のヤニスがそのキャリアを終える時、どのように語り継がれる存在となっているか、実に興味深い。

構成●ダンクシュート編集部
 
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