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バスケの“神様”ジョーダン以来の偉業!現在リーグで最も“ホット”な新人ジャ・モラント

ダンクシュート編集部

2019.11.25

モラントは抜群のスピードと運動能力を生かしたプレーで、1年目からチームを牽引している。(C)Getty Images

 2019年ドラフト1巡目全体1位指名のザイオン・ウィリアムソン(ニューオリンズ・ペリカンズ)は右ヒザ半月板損傷で手術を受け、まだNBAで1試合もプレーしていない。"レブロン・ジェームズ二世"とも言われる大型ルーキーを欠くなか、今リーグで最もホットな新人の1人がメンフィス・グリズリーズのガード、ジャ・モラントだ。

 NBAレジェンドのレイ・アレンと高校時代にチームメイトだったティー・モラントを父に持つジャ・モラントは、ザイオンに次ぐ1巡目2位でグリズリーズ入りした。その特徴は抜群の身体能力とスピードだが、ゲームメークでも非凡な才能を見せる。

 15試合中14試合に出場してルーキートップの平均19.1点、6.0アシストと司令塔兼フィニッシャーとしてチームを牽引。NBAデビューから7試合に限れば、"バスケットボールの神様"マイケル・ジョーダンが1984-85シーズンに記録して以来となる平均20点、5アシスト、シュート成功率50%以上をクリアした選手となっている。11月13日のシャーロット・ホーネッツ戦では、決勝シュートを決める勝負強さも披露した。

 グリズリーズは昨季途中、チーム一筋11年目のマルク・ガソルをトロント・ラプターズに放出。さらに、今夏には生え抜き司令塔のマイク・コンリーもユタ・ジャズにトレードし、世代交代に大きく舵を切った。そのなかで、モラントはコンリー去りし後の新たなフランチャイズプレーヤー候補として期待される。
 
 20歳のプレーメーカーは早くも、対戦相手や関係者からも一目置かれる存在だ。

 11月19日に対戦したゴールデンステイト・ウォリアーズのスティーブ・カー・ヘッドコーチは、モラントの爆発力とスピードについて、「彼の中には小さなアイバーソンがいる」とバスケットボール殿堂入りを果たしている名ガードのアレン・アイバーソンを引き合いに出して評価。2008年にセルティックスで優勝を経験し、現在は米スポーツ専門局「ESPN」でアナリストを務めるケンドリック・パーキンスは、「ラッセル・ウエストブルックの運動能力、カイリー・アービングのフィニッシュ能力、ラジョン・ロンドのパススキルを組み合わせた選手」と最大限の賛辞を送った。

 主力に抜擢したグリズリーズのテイラー・ジェンキンス・ヘッドコーチも「自信を持ってプレーしている。彼はあらゆるプレーができると信じている」と、スーパールーキーがチームで受け入れられていると証言する。

 モラント自身、プロ入りするまではウエストブルックがお気に入りのプレーヤーだったというが、今は"自分のカラー"を出すことを意識しているという。

「僕はウエストブルックのようにプレーしようとはしていない。いつも、自分らしくあろうとしている。彼のアグレッシブさは好きだけどね」

 課題のミドルジャンパーを磨いてさらに成熟すれば、受賞が有力視されていたザイオンに代わって新人王に輝いても不思議はないだろう。

構成●ダンクシュート編集部
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