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ブルズで充実の時を過ごすドラギッチ。苦労した若手時代を回顧「今もNBAでプレーしてるなんて誰が予想した?」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2022.11.05

スロベニア出身のドラギッチはドラフト2巡目指名から15年間NBAで生き抜き、今季もブルズで好プレーを見せる。(C)Getty Images

 現地時間11月4日を終えた時点で、シカゴ・ブルズはイースタン・カンファレンス6位の5勝5敗(勝率50%)。2年連続のプレーオフ進出へ向け、まずまずのスタートを切っている。

 先発ポイントガードのロンゾ・ボールがケガで出遅れるなか、デマー・デローザンが平均25.6点、4.3アシスト、ザック・ラビーンが20.7点、4.0アシスト、ニコラ・ヴュチェビッチが16.4点、12.3リバウンドと主軸は健在。2年目のアヨ・ドスンムがスターターに入り、アレックス・カルーソやパトリック・ウィリアムズ、コビー・ホワイト、ジャボンテ・グリーン、アンドレ・ドラモンドらがチームを支えている。

 さらにベンチにはベテランのゴラン・ドラギッチが控える層の厚さも、今季のチームの強みのひとつと言えるだろう。今夏にスロベニア代表としてユーロバスケット(欧州選手権)に出場し、平均14.9点、3.6リバウンド、3.7アシストをマークしたコンボガードにとって、ブルズはNBA通算6球団目。ここまで全10試合に出場して平均17.6分、9.0点、3.4アシストに3ポイント成功率50.0%(平均1.6本成功)と、ローテーションの一角として貴重な働きを見せている。
 
 3日に地元メディア『NBC Sports Chicago』に公開された記事のなかで、ドラギッチは新天地で充実の序盤戦を過ごしていることを明かした。

「ここですごく楽しんでいる。新しいチームに新たな街と人々、僕にとってはいい気分転換なんだ。ビリー(ドノバンHC)ともコミュニケーションがよく取れているし、彼は最高のコーチだね。今の僕はハッピーだよ。それが最も重要なことだと思っている。特にキャリアの終盤ではね」

 今季のプレータイムはフェニックス・サンズでNBAデビューした2008-09シーズンの平均13.2分に次いで短く、得点源を務めてきたサンズやマイアミ・ヒート時代とはチーム内における役割も異なるものの、36歳のベテランは「いい感じさ」と満足感を滲ませる。

「僕とビリーは15~20分という完璧なバランスを見つけているからね。もちろん、誰だってもっとプレーしたいと思うもの。それは別に悪いことじゃない。けれど僕としてはこのチームのためにいるわけで、彼らが求めることをやるだけさ。もしビリーから30分プレーすることを求められたら、そうできるように備えていく。15分なら、僕もそれに応じていくよ」
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「諦めずに頑張ってきて良かったよ」