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トラブル続きのネッツを牽引するデュラントを暫定HCが称賛「我々の中枢となって、チームを束ねてくれた」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2022.11.06

複雑なチーム事情のなか、安定したパフォーマンスでネッツを牽引するデュラント。(C)Getty Images

 現地時間11月4日にワシントンDCのキャピタル・ワン・アリーナで行なわれたブルックリン・ネッツ対ワシントン・ウィザーズの一戦は、128-86でネッツの大勝に終わった。

 ネッツの渡邊雄太、ウィザーズの八村塁による今季初の日本人対決で注目を集めたこの試合、ネッツは連日のように揺れ動くチーム事情のなかでティップオフを迎えた。

 開幕から2勝5敗と大きく負け越したチームは、1日にスティーブ・ナッシュHC(ヘッドコーチ)を解任。さらに4日には第2の得点源でプレーメーカーのカイリー・アービングに最低5試合の出場停止処分を科した。これは先日、アービングが反ユダヤ主義の映像作品のリンクを自身のSNSへ投稿し、(支持する意思こそ示さなかったものの)明確に否認しなかったことで問題へ発展したためである。期間中は無報酬という処分が下された。

 ネッツは今季平均26.9点、5.1アシストを記録するアービングに加え、ベン・シモンズ(左ヒザの痛み)、セス・カリー(左足首)ら主軸を欠く苦しい台所事情。しかしいざ試合が始まると第1クォーターだけで38得点を奪うなど、終わってみれば42点差をつける圧勝劇で今季3勝目を手にした。
 
「ケビンが今夜、我々の中枢となってくれた。チームメイトを見事に束ねてくれた。彼は喜んでパサーになっていたし、機会があれば彼らを生かしていたね」

 代理で指揮を執るジャック・ヴォーン暫定HCが試合後に語ったように、チームを引っ張ったケビン・デュラントはゲームハイの28得点、9リバウンドに加え、今季自己最多となる11アシストの活躍で勝利の立役者となった。

 そのほか、ニック・クラクストンが18得点、9リバウンド、3ブロック、キャム・トーマスが17得点、6アシスト、渡邊がシーズンハイの14得点、8リバウンドに2ブロック、ロイス・オニールが13得点、8アシストをあげるなど、計7選手が2桁得点を記録。チーム全体でフィールドゴール成功率55.6%(50/90)、3ポイント成功率50.0%(14/28)、フリースロー成功率100.0%(14/14)とショットが絶好調で、得点をはじめリバウンド(48)、アシスト(32)と、いずれも今季最高のスタッツでウィザーズをねじ伏せた。
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流れを呼び込んだデュラントの“アンクルブレイク”