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「クレイジーさ」古巣スパーズ戦で通算2万得点を達成したデローザン。NBA史上50人目の偉業に2人の指揮官が見せた「粋な計らい」とは<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2022.11.17

デローザンは10月29日のスパーズ戦でNBA史上50人目となる通算2万得点を達成した。(C)Getty Images

 現地時間11月15日、この日試合がなかったシカゴ・ブルズは、トレーニング施設のアドボケイト・センターで16日のニューオリンズ・ペリカンズ戦に向けてチーム練習をこなした。

 ブルズは現在、6勝8敗(勝率42.9%)で、イースタン・カンファレンス11位とプレーイン・トーナメント進出圏外と、チーム状況は良いとは言えない。

 そんななか、この日の練習前にビリー・ドノバンHC(ヘッドコーチ)がチームのエースへ粋な計らいを見せた。指揮官はNBAの公式バスケットボールメーカーのウィルソンボールをデマー・デローザンへプレゼントしたのだ。

 そこには「DEMAR DEROZAN 20K CAREER POINTS BULLS at SPURS・10.28.2022」と刻まれており、これにはデローザンも「ありがとう。それだけたくさん点を取ってきたんだね。感謝しているよ」と笑顔を見せ、チームメイトからも祝福を受けた。

 今季もブルズでチームトップの平均23.9点に3.9リバウンド、4.2アシスト、1.1スティール、フィールドゴール50.9%を残している33歳のベテランは、10月28日のサンアントニオ・スパーズ戦で通算2万得点に到達していた。

 キャリア14年目、通算3チーム目のブルズでプレーを続けるデローザンは、現在10シーズン連続で平均20点以上をマークしており、スパーズ戦の第1クォーター残り5分43秒に自身の代名詞とも言えるミドルレンジジャンパーをヒット。

 デローザンにとってスパーズは一昨季まで3シーズン所属した古巣であり、スパーズのグレッグ・ポポビッチHCはデローザンの記録達成直後にタイムアウトを要求。その後2人はコートで抱き合い、デローザンは満面の笑顔を見せていた。
 
 試合後にデローザンは、NBA史上50人目の快挙についてこのように振り返っていた。

「ここまでたどり着ける人はそう多くない。僕の大好きな選手たちの中でさえ、達成できなかった人もいるくらいね。スコアリング記録で歴代50位になり、歴代最高のコーチの1人(ポポビッチHC)からリスペクトされ、サンアントニオでプレーしてファンの皆から祝福されるんだから、クレイジーなことさ」

 デローザンは現在、通算2万203得点で歴代48位まで順位を上げており、自身の記録を伸ばし続けている。現役でも10人しか成し遂げていない快挙だけに、格別な気持ちだったに違いない。

 オールスター選出5度、オールNBAチーム選出3度を誇るスウィングマンは、ドライブと高精度なミドルレンジゲームを誇っており、近年ではプレーメーキングの面でも上達させ、リーグ有数のスコアラーとしての地位を確立。

 シューティングガード/スモールフォワードは運動量の多いポジションながら、デローザンはケガによる長期離脱がなく、コンスタントに試合に出場し続けてきたことが実を結んだと言っていいだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)
 
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