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NBA

カリー、ハーデン、デローザン――多くのスターを輩出しながら当たり感の乏しい不思議な年【NBAドラフト史|2009年】

大井成義

2019.11.21

2009年組の出世頭は7位指名のカリー。シーズンMVPを2回、優勝3回経験(C)Getty Images

2009年組の出世頭は7位指名のカリー。シーズンMVPを2回、優勝3回経験(C)Getty Images

 ステフィン・カリー、ジェームズ・ハーデン、デマー・デローザンといえば、現在のリーグを代表するスーパースターたちだ。彼らは皆、2009年ドラフトの指名選手。普通、これだけの人材を輩出していれば、“当たり年”と認知されるはずだろう。しかしながら、なぜかその印象は薄い。そんな不思議な年のドラフトを振り返る。

■2018年のオールスターでは3人がスターターとして出場

“オールスター選手”という肩書は、アメリカのプロスポーツの世界において思いのほか大きな意味を持つ。例えばオールスター出場経験のある人物が、テレビのトーク番組や各種イベントなどに出演した際には、他の肩書を差し置いて「スリータイム・オールスター、◯◯◯!」といった紹介のされ方をすることがままある。初出場はもちろん、常連組にとってもオールスターに選ばれるというのは特別なことだそうだ。

 そんなオールスター選手を何人輩出したかは、各ドラフト年のレベルを測るうえで、わかりやすい指標のひとつとなっている。とりわけ、投票で選出されるスターターの10人はスペシャルな存在であり、判断材料としてのポイントも高い。そして当たり年ともなると、単年に複数人の同期選手がスターターに名を連ねていたりする。
 
 過去の例で言えば、マイケル・ジョーダンの1984年組、カール・マローンの1985年組、コビー・ブライアントの1996年組、レブロン・ジェームズの2003年組などが、単年に3~4人の先発選手を誕生させた実績を持つ。いずれのドラフト年も、歴代屈指の当たり年とされている。

 2018年のオールスターに最も多い3人のスターターを送り込んだのが、2009年ドラフト組だ。ステフィン・カリー、ジェームズ・ハーデン、デマー・デローザン。現在のリーグを代表する面々であり、プレーオフでも主役を務めるトッププレーヤーたちである。それらスター選手を何人も輩出した2009年組は、今世紀のなかで3指に入る当たり年と言っていいだろう。

 だが、2003年組(レブロン、カーメロ・アンソニー、ドゥエイン・ウェイド等)のインパクトがあまりにも大きかったせいか、2009年組にスポットライトが当たることはあまりなく、デビュー後しばらくは凡庸な雰囲気すら漂っていた。ここ数年の目覚ましい活躍により、一気に評価を高めた感はあるものの、それでもどこかスペシャル感の乏しい、そんなドラフト年である。
 

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