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NBA

「アイバーソンはそうしなかった」名手ウォールがベンチ出場を受け入れた理由「プライドを抑えなきゃいけない時もある」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2022.12.11

ベンチ出場を受け入れたウォールが、アイバーソンを引き合いにその理由を語った。(C)Getty Images

ベンチ出場を受け入れたウォールが、アイバーソンを引き合いにその理由を語った。(C)Getty Images

 これまでのキャリアにおいて、ジョン・ウォールは常にスターターとしてプレーしてきた。しかし、3シーズンで2度の全休を経てロサンゼルス・クリッパーズに加入した今季は、シックスマンという新たな役割を受け入れている。

 スーパースターとして活躍してきた選手が、いきなりベンチ出場を受け入れるのは相当な覚悟がいるだろう。そんななか、9日に地元メディア『The Washington Post』へ公開された記事のなかで、ウォールはアレン・アイバーソン(元フィラデルフィア・セブンティシクサーズほか)のエピソードを交えて、現在の役割についてこう話していた。

「なかにはプライドを抑え込まなきゃいけない時もある。そうしないと、有利に働かなくなってしまうからね。僕の大好きな選手、アレン・アイバーソンもそう。(キャリア終盤に)複数のチームが彼に、ベンチスタートとなって、それまでとは異なるポジションからやれるか聞いてきた。けど彼はそうしようとはしなかった。それはただ、彼のプライドが(ベンチスタートを)許さなかったのさ」
 
 ウォールは左かかととアキレス腱のケガのため2019-20シーズン、そしてローテーション外になったことで2021-22シーズンを全休。一時はどん底にまで陥った男は、先発出場やエースガードといったこれまでの経歴を貫くのではなく、クリッパーズで控えを務めることを選択した背景をこう話していた。

「もし他のいくつかのチームとサインしていたら、今頃は先発か、もっと多くのプレータイムをもらっていただろうね。俺は現時点における自分のキャリアについて、しっかりと認識しているんだ。俺にとって最も重要なこと、それは自分が健康体で、今もプレーでき、どんな役割だって受け入れることができるということを示すことなんだ」

 今季の優勝候補と目されながら、今季のクリッパーズは故障者が続出していることもあり、ここまで15勝13敗(勝率53.6%)と今ひとつ波に乗り切れていない。チームを浮上させるうえで、ベンチ出場を受け入れたウォールの働きは今後も重要になっていくはずだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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