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至宝ウェンバンヤマや名手マジックも来場した特別な夜。パリゲームにラビーンは「チームメイトとの仲も深まった」<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2023.01.22

3年ぶりに行なわれたパリゲームはブルズがピストンズに勝利を収めた。(C)Getty Images

 1月19日、フランスの首都パリで、2度目のNBAのレギュラーシーズンマッチ、デトロイト・ピストンズ対シカゴ・ブルズ戦が行なわれた。

 前回は2020年1月、フランス代表のニコラ・バトゥームが所属していたシャーロット・ホーネッツと、前年MVPのヤニス・アデトクンボ擁するミルウォーキー・バックスが対戦(116-103でバックスが勝利)。ホーネッツのオーナー、マイケル・ジョーダンも来場して大いに盛り上がった。

 今回も会場のベルシー・アリーナは、約1万5000席がソールドアウト。昨年9月に発売となったチケットは、数万円もする高価なシートも含め、約30分で完売した。

 3000人というVIP招待客のリストには、タイムアウト中にコート上で紹介されたマジック・ジョンソン、2004年のピストンズ優勝メンバー、ベン・ウォーレスとリチャード・ハミルトン、そしてトニー・パーカー、ジョアキム・ノア、ミカエル・ピートラス、ロニー・トゥリアフといったフランス出身のNBAプレーヤー。

 さらにシャルル・ルクレール、ピエール・ガスリー、エステバン・オコンのF1レーサー3人衆、昨年11月に電撃引退したサッカー元スペイン代表のDFジェラール・ピケや、地元パリ・サンジェルマンのMFマルコ・ヴェラッティら、他競技の選手たちの姿も見られた。
 
 しかしその中でもダントツに注目を集めたのが、今年のNBAドラフト1位候補、ヴィクター・ウェンバンヤマだ。218cmのウェンバンヤマが弟のオスカーと一緒に会場に足を踏み入れた途端、一瞬にして注目はこの未来のNBAスターに注がれた。

「彼と会うのが楽しみ」と語っていたマジックは、「世界最高の選手で、今年のNBAドラフト1位のウェンバンヤマに会って話す機会があった!」という、やや先走り的なメッセージとともに、ウェンバンヤマ兄弟との3ショット写真をSNSに投稿していた。

 両チームは、15日の試合後すぐに飛行機に乗り、約6時間かけて大西洋を横断してパリに到着。選手たちは家族の同行を許されており、各チームとも200人ほどの大所帯だった。

 ゲームハイの30点でブルズの勝利(126-108)に貢献したガードのザック・ラビーンは、「お互いの家族とも知り合う機会になって、チームメイトたちとの仲もより深まった気がする。ケミストリーがより育まれた」と試合後に感想を語っていた。

 ちなみに、その苗字から察せられるように、ラビーンの曽祖父はフランス人だそうで、彼にとって先祖にゆかりのある地でプレーしたことはことさら特別な体験になったようだ。
 
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