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レイカーズの“重鎮”シャックが八村塁に辛辣コメント「悪いけど、彼がどんなやつか知らなかった」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2023.01.27

レイカーズに加入した八村に対し、“大先輩”のシャックが手厳しい言葉で迎えた。(C)Getty Images

 現地時間1月25日、ワシントン・ウィザーズからロサンゼルス・レイカーズにトレード移籍した八村塁が、新天地デビューを飾った。

 サンアントニオ・スパーズ戦で21分31秒間コートに立ち、12得点、6リバウンドをマーク。第1クォーターに初めて試合に入ると、地元ファンからは大きな歓声が響くなど、この日本人フォワードに対する注目度と期待の高さが窺えた。

 もっとも、24日に放送された『TNT』の番組内では、レイカーズの"重鎮"が八村に厳しい意見を寄せる場面も。コビー・ブライアントとともに2000年から3連覇を達成し、そのすべてでファイナルMVPを受賞したシャックことシャキール・オニールは、古巣に新加入した"背番号28"について淡々とした反応を見せた。

「トップ10プレーヤーでもなければ、(八村が)誰なのか知らない。悪く思わないでくれよ。俺があんな子を知っているわけないだろ」

 すると番組内では、八村がキャッチ&シュートができ、サイズもあり、ラッセル・ウエストブルックともウィザーズでプレー経験があるとフォロー。だがシャックは、「彼の幸運を祈る。彼らがうまくいくとね。だが悪いけど、俺は彼がどんな人物なのか知らなかった。(ワシントン)ブレッツやウィザーズの試合は見ていないんだ」とコメントした。
 
 確かに、リーグ全体で見ればウィザーズは決して注目チームではなく、レブロン・ジェームズのようなスーパースターがプレーしているわけでもない。それにウィザーズにおける八村の位置づけは、ブラッドリー・ビール、クリスタプス・ポルジンギス、カイル・クーズマに次ぐ4番手以下だった。

 そのため、シャックもこのような反応を見せたのだろう。2019年のドラフト全体9位で、20年にはキャリア2年目以内の若手が競演するオールスターのイベントにも出場しているとはいえ、日本のスーパースターは全米で誰もが知っている存在ではないというのが現状だ。

 もっとも、ダービン・ハムHC(ヘッドコーチ)は「ペリメーターにサイズをもたらし、ポストでも相手選手をガードできる。それにショットを決めることができるし、システムにもフィットする。彼は(複数のエリアで)条件を満たしてくれる。彼のようなタレントを加えられるなら、考えるまでもないことさ」と地元メディア『Spectrum SportsNet』でコメント。

 さらに指揮官は、「彼にはいつも感銘を受けてきた。あの多面性に強さ、運動能力、スキルが備わった若い選手を我々のチームに加える機会を手にし、私は本当に楽しみにしている。彼は多くをもたらしてくれると思う」と、期待のコメントを寄せた。

 八村には新天地レイカーズでステップアップを遂げ、重鎮シャックも認めるほどの選手になってほしいところだ。

文●秋山裕之(フリーライター)
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