近年のNBAはハイペース化、ポジションレス化が進み、かつてのようなセンター全盛の時代ではなくなった。「バスケットボールを変えた」とも言われるステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)はその象徴とも言える存在だが、往年の名選手であるアイザイア・トーマスは、自分たちの時代であれば今ほどの活躍はできていないと考えているようだ。
2009年のドラフト全体7位指名でデイビッドソン大からウォリアーズに入団したカリーは、NBA入り当初はまだ線も細く、リーグを代表するスーパースターになると予想した者はほとんどいなかったと言っていい。
しかし4年目の2012-13シーズンから平均得点を20点台に乗せ、不動のエースに君臨。リーグ優勝4回(2015、17、18、22年)、MVP2回(15、16年)、得点王2回(16、21年)と、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)やケビン・デュラント(フェニックス・サンズ)らとともにNBAの顔としてリーグを牽引している。
ウォリアーズ一筋14年目、通算3ポイント成功数で史上唯一の3000本台(2月10日時点で3302本)を誇る天才シューターは、これまでハーフコートライン付近からの"ディープスリー"や、自陣からのスーパーショットも幾度となく決めてきた。
そのプレーで「バスケットボールを変えた男」とまで称されるが、『ESPN』の名物アナリストであるスティーブン・A・スミス氏は『FULL SEND PODCAST』に出演した際、1980年代に"バットボーイズ"としてその名を轟かせたデトロイト・ピストンズのリーダーであるアイザイア・トーマスの見解を紹介している。
「ステフィン・カリーは神が生み出した最も偉大なシューターだと思う。それに議論の余地はない。でも、アイザイア・トーマスが話していたことを共有したい。彼は私に『ステフが自分たちの時代でプレーしていたら、平均18点を超えることはなかっただろう』と言っていた」
NBAは2001-02シーズンから、よりアップテンポで攻撃的な試合展開にする目的で、ゾーンディフェンスの解禁とディフェンス3秒ルールが導入され、攻撃側がボールをフロントコートへ運ぶ時間もそれまでの10秒から8秒へ縮められた。さらに、04-05シーズンにはハンドチェック・ルールが廃止され、ディフェンダーが手や腕で攻撃側に接触するとファウルを取られるようになった。これらの変化が、現在のハイスコア化の追い風になっているのは間違いない。
「2度のリーグ王者(トーマス)は、ルールが彼らにフィジカルコンタクトが少なくシュートを打つことを可能にしていると考えていた。ステフはリーグに入った当初、足首のケガに悩まされた。キャリアはそう長くはないのではないか、と思われたくらいだ。その点、オールドスクールの選手たちがいた時代は、ヒジやヒザを駆使して相手を止めていた。(マイケル)ジョーダンが現代でプレーしたら平均60点をあげるだろう。今のファウルの判定は昔よりもソフトだ」
カリーが歴代最高のシューターの1人である事実は揺るがないが、よりタフネスさが求められた80年代を生き抜いた名手トーマスの目には、当時と今のバスケは別物に映っているようだ。
構成●ダンクシュート編集部
2009年のドラフト全体7位指名でデイビッドソン大からウォリアーズに入団したカリーは、NBA入り当初はまだ線も細く、リーグを代表するスーパースターになると予想した者はほとんどいなかったと言っていい。
しかし4年目の2012-13シーズンから平均得点を20点台に乗せ、不動のエースに君臨。リーグ優勝4回(2015、17、18、22年)、MVP2回(15、16年)、得点王2回(16、21年)と、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)やケビン・デュラント(フェニックス・サンズ)らとともにNBAの顔としてリーグを牽引している。
ウォリアーズ一筋14年目、通算3ポイント成功数で史上唯一の3000本台(2月10日時点で3302本)を誇る天才シューターは、これまでハーフコートライン付近からの"ディープスリー"や、自陣からのスーパーショットも幾度となく決めてきた。
そのプレーで「バスケットボールを変えた男」とまで称されるが、『ESPN』の名物アナリストであるスティーブン・A・スミス氏は『FULL SEND PODCAST』に出演した際、1980年代に"バットボーイズ"としてその名を轟かせたデトロイト・ピストンズのリーダーであるアイザイア・トーマスの見解を紹介している。
「ステフィン・カリーは神が生み出した最も偉大なシューターだと思う。それに議論の余地はない。でも、アイザイア・トーマスが話していたことを共有したい。彼は私に『ステフが自分たちの時代でプレーしていたら、平均18点を超えることはなかっただろう』と言っていた」
NBAは2001-02シーズンから、よりアップテンポで攻撃的な試合展開にする目的で、ゾーンディフェンスの解禁とディフェンス3秒ルールが導入され、攻撃側がボールをフロントコートへ運ぶ時間もそれまでの10秒から8秒へ縮められた。さらに、04-05シーズンにはハンドチェック・ルールが廃止され、ディフェンダーが手や腕で攻撃側に接触するとファウルを取られるようになった。これらの変化が、現在のハイスコア化の追い風になっているのは間違いない。
「2度のリーグ王者(トーマス)は、ルールが彼らにフィジカルコンタクトが少なくシュートを打つことを可能にしていると考えていた。ステフはリーグに入った当初、足首のケガに悩まされた。キャリアはそう長くはないのではないか、と思われたくらいだ。その点、オールドスクールの選手たちがいた時代は、ヒジやヒザを駆使して相手を止めていた。(マイケル)ジョーダンが現代でプレーしたら平均60点をあげるだろう。今のファウルの判定は昔よりもソフトだ」
カリーが歴代最高のシューターの1人である事実は揺るがないが、よりタフネスさが求められた80年代を生き抜いた名手トーマスの目には、当時と今のバスケは別物に映っているようだ。
構成●ダンクシュート編集部
関連記事
- 【NBA】渡邊雄太所属のネッツに激震!大黒柱デュラントがトレードでサンズに移籍、アービングに続き2大エース放出へ
- 【NBA】渡邊雄太が3P4本成功含む14得点!ロスター再編後の初戦でネッツの勝利に大貢献<DUNKSHOOT>
- “天使と悪魔の顔を持つ男”トーマスと“誰もが認める紳士”デュマース。対照的な2人が牽引したピストンズの盛衰【NBAデュオ列伝|前編】<DUNKSHOOT>
- 「年を取ったね」カリーがウォリアーズの球団記録で“伝説の巨人”超えを達成!「間違いなく祝福すべきこと」<DUNKSHOOT>
- “和製カリー”富永啓生のスコアリングショーに米メディアが脚光!「最も過小評価されているスコアラー」<DUNKSHOOT>