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NBA

故障者続出でプレーオフ圏外に沈むペリカンズ。ザイオンは救世主になれるのか?

出野哲也

2019.12.02

プレシーズンでヒザを痛めて開幕から欠場中のザイオン。12月中旬の復帰が噂されるが、ケガのリスクを考えて今季は出番が制限される可能性もある。(C)Getty Images

プレシーズンでヒザを痛めて開幕から欠場中のザイオン。12月中旬の復帰が噂されるが、ケガのリスクを考えて今季は出番が制限される可能性もある。(C)Getty Images

 開幕18試合で6勝12敗はちょうど1勝2敗ペース。開幕直前、今年のドラフト1位の超大型新人ザイオン・ウィリアムソンがヒザの手術で全治6~8週間と発表された時点で、ニューオリンズ・ペリカンズのこの成績はある程度予測できた。

 ザイオンだけでなく、9試合で平均25.9点と快調だったブランドン・イングラムも、右膝痛を訴えて11月11日のヒューストン・ロケッツ戦以降4試合を欠場。先発センターのデリック・フェイバーズも、17日以降は腰痛のため姿を見せていない。主力メンバーが相次いで離脱した結果、すでに先発に起用された選手が11人を数えるという異常事態に陥っている。

 これでは、ただでさえ混戦のウエスタン・カンファレンスで11位にとどまっているのも仕方ない。と言うよりも、むしろよくこの勝敗で収まっているとさえ思える。

 実際、ここまで勝率5割を下回っている球団との対戦は6試合だけと、スケジュールも厳しかった。6勝の中には優勝候補のロサンゼルス・クリッパーズや、カンファレンス2位のデンバー・ナゲッツも含まれていて、勝敗や順位が示す以上に油断のならないチームと言える。
 
 27日にはウエスト首位を走るロサンゼルス・レイカーズ相手に、第3クォーターまでリードを奪っていた。昨季までのエース、アンソニー・デイビスに41得点を奪われ110-114で惜敗したとはいえ、ザイオン、フェイバーズ、ロンゾ・ボールを欠く、将棋に例えるなら「飛車・銀・香車落ち」並みの陣容で充分戦えたのは自信になったのではないだろうか。

 主力不在でチャンスを得たメンバーの中で、活躍が光るのはドラフト8位入団の新人ジャクソン・ヘイズと、2年目のケンリッチ・ウィリアムズ。それぞれフェイバーズ、ザイオンの代わりを務めている選手で、ヘイズは先発出場時のチームの得失点差がプラス12.9。ウィリアムズはロンゾと同じ身長198cmでありながら、こちらも先発で出た試合はチーム2位の8.1リバウンドを奪取している。彼らのような若いベンチ要員が、多くの出場時間を得て実力を向上させて行けば、本来の先発メンバーが戻ってきたときに、戦力層の厚みは間違いなく増しているはずだ。

 となればザイオンの復帰時期が気になるところで、一時は「今季一杯休ませたほうがいいのでは」との極端な意見も聞かれたが、11月29日時点の情報では12月中旬頃と見込まれている。興行的にも、今季の最注目選手には一日も早く戻ってきてほしいのは山々だろう。とはいえ、焦ってケガが再発しては元も子もないとあって、球団側は急がせるつもりはない模様。
 

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