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「リーグにとって悪いとは思わない」電撃移籍のデュラントが選手によるトレード要求を肯定「多くの人たちが興奮する」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2023.02.20

ネッツからサンズへ移籍したデュラントが、オールスターのメディア対応で今回のトレードについて語った。(C)Getty Images

 現地時間2月18日、オールスターウィークエンドを迎えているNBAは、開催地のユタ州ソルトレイクシティで、選手のメディアデーが行なわれた。

 記者の注目を集めたのは、先日ブルックリン・ネッツからフェニックス・サンズへ電撃移籍したケビン・デュラントだ。シーズン途中に新天地へ旅立ったスーパースターは、選手がチームにトレードを要求する最近の風潮を「リーグにとって悪いことだとは思わない」と持論を展開した。

「リーグに注目が集まるし、多くの人たちが興奮する。カイリー(アービング/現ダラス・マーベリックス)と俺がトレードされたことで、リーグはさらに注目を浴びた。実際、それがお金をかき集めるし、注目されることにつながる。だから正直な話、俺はリーグにとって最高なことだと思うね」

 さらにデュラントは次のように続けた。

「これまでチームは選手たちをトレードし、利益を手にしてきた。今は選手自身がどこへ行きたいか、フリーエージェンシーで離れることも、トレードを要求することだってできる。今ではそれもゲームのうちなんだ。だから俺はそれが悪いとは思っていないよ。そうすることで、ゲームをもっと盛り上げることができるからね」
 
 ジョン・ストックトン(元ユタ・ジャズ)やレジー・ミラー(元インディアナ・ペイサーズ)、コビー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)、ティム・ダンカン(元サンアントニオ・スパーズ)、ダーク・ノビツキー(元マーベリックス)など、かつてのNBAでは、ひとつのチームでキャリアを全うするフランチャイズプレーヤーは珍しくなかった。

 しかし2010年以降はレブロン・ジェームズやジェームズ・ハーデン、そしてデュラントとスーパースターの移籍が頻発している。

 今年のトレード・デッドラインでは、NBA史上最多となる24チームがトレードに絡み、同最多49選手が移籍。もはやリーグにおける一大イベントになっている。

 また、シーズン中以外にも、オフシーズンに選手がトレードを要求するケースもある。実際、デュラントも昨夏にネッツへトレードを要求すると、多くのチームが彼の獲得に関心を示し、SNS上でも大きな盛り上がりを見せていた。

 チームとしては、必ずしも主力選手を手放したいケースばかりではないだろうが、フリーエージェントとなって退団されるよりは、選手や未来のドラフト指名権など相応の見返りを得ることができるトレードの方がメリットはあると考えているのは間違いないだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)