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「最高のペースでプレーできていることに感謝」2度の大ケガから完全復活を遂げたトンプソン。同僚は「今も健在」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2023.02.28

トンプソンはオールスター明け3試合で平均32.0点、3ポイント成功率52.4%と絶好調。主砲カリーを欠くウォリアーズを攻撃面で牽引している。(C)Getty Images

 昨季リーグを制したゴールデンステイト・ウォリアーズは、オールスターブレイク明けもステフィン・カリー(左足)、ドレイモンド・グリーン(右ヒザ打撲)、アンドリュー・ウィギンズ(家族の事情)と3人の先発メンバーを欠き、苦しい状況が続いている。

 もっとも、チームは現地時間2月23日のロサンゼルス・レイカーズ戦こそ111-124で落としたものの、翌24日にヒューストン・ロケッツを116-101で下し、26日のミネソタ・ティンバーウルブズ戦も109-104で競り勝って2連勝を飾った。

 連勝の立役者となっているのがクレイ・トンプソンだ。33歳のシューティングガードは、ロケッツ戦で3ポイント12本成功を含む42得点に7リバウンド、ウルブズ戦でも6本の長距離砲を沈めて32得点に5リバウンド、4アシストと、いずれもゲームハイの得点を叩き出した。

 トンプソンは2019年のファイナルで左ヒザ前十字靭帯を断裂、復帰を目指していた20年11月には練習中に右足アキレス腱を断裂し、丸2シーズンを棒に振った。長いリハビリを経て22年1月に941日ぶりにNBAのコートに戻ったピュアシューターは、現在の自身のプレーについて以下のように語っている。
 
「僕はプレーしていなかった年のことをいつも考えているんだ。サイドラインで(試合を)見ていた時のことをね。今はすべてのことを広い視野で見ることができている。自分の身体が動いて、最高のペースでプレーできていることに感謝しているよ」

 エースのカリーを欠くなかでトンプソンは得点面でウォリアーズを引っ張っており、今季チームに加入したドンテ・ディヴィンチェンゾも「(将来の)殿堂入り選手だ。彼はとんでもないキャリアを送っている。クレイ・トンプソンは今も健在なんだ」とチームメイトを絶賛。

 特に年明け以降は絶好調で、1月は平均27.0点、3ポイント成功率43.1%、2月も同25.7点、成功率45.5%を残し、3ポイントは平均5本以上を決めている。

 27日を終えた時点で、ウォリアーズはウエスタン・カンファレンス7位の31勝30敗(勝率50.8%)。プレーオフへ自動的に出場できる6位のダラス・マーベリックス(32勝30敗/勝率51.6%)まで0.5ゲーム差、5位のロサンゼルス・クリッパーズ(33勝30敗/勝率52.4%)とも1ゲーム差に迫っており、あと少しでプレーイン枠から脱却できる位置にまで達している。

 レギュラーシーズン終盤戦へ向けて、ここからは1試合ごとの勝敗が最終順位へ大きく影響してくることから、トンプソンには引き続きウォリアーズのスコアラーとして活躍を続けてほしい限りだ。

文●秋山裕之(フリーライター)
 
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