ユタ・ジャズで一時代を築いた殿堂入り選手のカール・マローンは、1996ー97、97ー98シーズンにNBAファイナルでシカゴ・ブルズと死闘を繰り広げたことで知られる。ライバル相手に涙を呑み、優勝に手が届かなかったスーパースターの1人として語り継がれることになるが、後悔はないと当時を回想している。
マローンが1985~2003年に在籍したジャズは、“神様”マイケル・ジョーダンを擁して2度の3連覇を果たした1990年代のブルズを苦しめたチームのひとつだった。パスの名手であるジョン・ストックトン、“メールマン”こと得点製造機のマローン、歴代4位の通算1221勝を誇るジェリー・スローンHC(ヘッドコーチ)、そして“ピック&ロール”で当時の彼らは成り立っていたと言ってもいい。
ボールハンドラーと対峙している選手に対してスクリーンをかけ、自らもフリースペースへ動いてパスをもらうピック&ロールは、バスケットボールの基本プレーだが、ジャズのそれは“究極の必殺技”だった。
ジョーダンと同じ1984年にジャズに入団ストックトンは、キャリア序盤こそ控えだったが、4年目の1987-88シーズン以降は85年に入団したマローンと16年にわたって不動のレギュラーとして君臨。共闘した18年間は925勝519敗(勝率64%)を誇り、すべてのシーズンでプレーオフに出場。97、98年はファイナルまで駒を進めた。
歴代3位の通算3万6928得点、同8位の1万4968リバウンドを記録し、NBA50周年記念オールタイムチームとNBA75周年記念チーム選出、殿堂入りも果たしているマローンは、ソルトレイクシティのテレビ局『KUTV』のインタビューで、当時ブルズに屈してショックだったことを認めつつ、自分やチームがプロフェッショナルな姿勢を貫き、後悔はしていないと振り返った。
「苦い思いはしていない。コンペティターのシカゴ・ブルズには脱帽さ。実際、彼らは勝ったわけだからね。敗北にどのように対処するか。2度優勝を逃したという特徴が私にはある。でも、人間として、男として、バスケットボールによって私が定義づけられることはない。個人的には、最も競争力のあるプロだと思う。私は『私が誰だか知っているかい? カール・マローンだ』なんて決して言わなかった。要するに、誰もそんなこと気にしてはいないんだ」
「負けたのは残念だ。でもプロとして、どう対処したか。私たちは称賛に値すると思う。プレーオフで私たちが負かしたチームの多くは言い訳をした。私たちは(負けても)スローンHCをはじめスタッフ陣は誰1人言い訳をせず、相手を称えた。それは自分たちを誇りに思っていたからだ。プロとして正しいマインドを持ち、それを実際に実行できたと思う」
リーグタイトルこそ獲得できなかったかもしれないが、プロとしての振る舞いをしたという自負がマローンのプライドを支えているのかもしれない。
構成●ダンクシュート編集部
【PHOTO】ロッドマン、ジョーダン、アイバーソン、シャック…NBA史に残る偉大なレジェンドたち!
マローンが1985~2003年に在籍したジャズは、“神様”マイケル・ジョーダンを擁して2度の3連覇を果たした1990年代のブルズを苦しめたチームのひとつだった。パスの名手であるジョン・ストックトン、“メールマン”こと得点製造機のマローン、歴代4位の通算1221勝を誇るジェリー・スローンHC(ヘッドコーチ)、そして“ピック&ロール”で当時の彼らは成り立っていたと言ってもいい。
ボールハンドラーと対峙している選手に対してスクリーンをかけ、自らもフリースペースへ動いてパスをもらうピック&ロールは、バスケットボールの基本プレーだが、ジャズのそれは“究極の必殺技”だった。
ジョーダンと同じ1984年にジャズに入団ストックトンは、キャリア序盤こそ控えだったが、4年目の1987-88シーズン以降は85年に入団したマローンと16年にわたって不動のレギュラーとして君臨。共闘した18年間は925勝519敗(勝率64%)を誇り、すべてのシーズンでプレーオフに出場。97、98年はファイナルまで駒を進めた。
歴代3位の通算3万6928得点、同8位の1万4968リバウンドを記録し、NBA50周年記念オールタイムチームとNBA75周年記念チーム選出、殿堂入りも果たしているマローンは、ソルトレイクシティのテレビ局『KUTV』のインタビューで、当時ブルズに屈してショックだったことを認めつつ、自分やチームがプロフェッショナルな姿勢を貫き、後悔はしていないと振り返った。
「苦い思いはしていない。コンペティターのシカゴ・ブルズには脱帽さ。実際、彼らは勝ったわけだからね。敗北にどのように対処するか。2度優勝を逃したという特徴が私にはある。でも、人間として、男として、バスケットボールによって私が定義づけられることはない。個人的には、最も競争力のあるプロだと思う。私は『私が誰だか知っているかい? カール・マローンだ』なんて決して言わなかった。要するに、誰もそんなこと気にしてはいないんだ」
「負けたのは残念だ。でもプロとして、どう対処したか。私たちは称賛に値すると思う。プレーオフで私たちが負かしたチームの多くは言い訳をした。私たちは(負けても)スローンHCをはじめスタッフ陣は誰1人言い訳をせず、相手を称えた。それは自分たちを誇りに思っていたからだ。プロとして正しいマインドを持ち、それを実際に実行できたと思う」
リーグタイトルこそ獲得できなかったかもしれないが、プロとしての振る舞いをしたという自負がマローンのプライドを支えているのかもしれない。
構成●ダンクシュート編集部
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