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「AIは私のキャリアを作った」ルーがかつての“天敵”アイバーソンに感謝「ジョーダンの次に尊敬していた」<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2023.03.28

ルー(右)は現役時代にアイバーソン(左)と対戦しなければ、今の自分はなかったと回想した。(C)Getty Images

ルー(右)は現役時代にアイバーソン(左)と対戦しなければ、今の自分はなかったと回想した。(C)Getty Images

 ロサンゼルス・クリッパーズのタロン・ルー・ヘッドコーチ(HC)は、NBA選手として11年間プレーし、リーグ優勝2回を経験した。ロサンゼルス・レイカーズ時代にシャキール・オニール&コビー・ブライアントの強力デュオと共闘したこともさることながら、キャリア序盤にスーパースターのアレン・アイバーソンと対戦したおかげで、現役を長く続けられたと回想している。

 1998年のドラフト1巡目23位でデンバー・ナゲッツから指名されたルーは、ニック・ヴァン・エクセルとのトレードでレイカーズの一員としてNBAキャリアをスタート。しかし、当時のレイカーズのガード陣にはベテランのロン・ハーパーやブライアン・ショウ、伸び盛りのデレック・フィッシャーがおり、ルーにはほとんど出番が巡ってこなかった。

 3年目の2000-01シーズンもレギュラーシーズンは38試合(うち先発1試合)で平均12.3分の出場で3.4点、1.2アシストにとどまったが、プレーオフの大舞台で流れが変わる。

 フィラデルフィア・セブンティシクサーズとのNBAファイナル、まだ無名だったルーはアイバーソン相手に守備で奮闘。ファイナル第1戦、オーバータイム残り48秒、アイバーソンが右のコーナーからドリブルを仕掛け、レッグスルーからフェイダウェイジャンパーを成功させた。レイカーズのベンチ前でコートに尻もちをついていたルーをまたぐシーンは、今もNBA史を彩るハイライトとして語り継がれている。

 この試合でレイカーズは敗れたものの、第2戦から4連勝。身長183㎝のルーはタイトな守りでこの年MVPに輝いたアイバーソンを苦しめ、チームの優勝に貢献した。
 
 ルーは『The Pivot Podcast』に出演した際、「人に言われるまで、それ(アイバーソンにまたがれたこと)が大したことだと思っていなかった」と、当時を振り返っている。

「AI(アイバーソン)は私のキャリアを作った。彼がいなかったら、今の自分がいなかったと思う。AIとのマッチアップは、次の契約を手にするのに役立ち、11年間リーグでプレーすることができた。あのステップ・オーバーの後、私は(ワシントン)ウィザーズと契約した。NBAファイナルに勝ち上がったのがAIでなければ、タロン・ルーは見れなかっただろう。彼をガードするチャンスを得たことで、私のキャリアは救われたんだ」

 ルーは2000-01シーズン終了後、ウィザーズと2年総額360万ドルで契約。ウィザーズではシックスマン、その後移籍したオーランド・マジックとアトランタ・ホークスでは先発を任されるまでになった。

 ルーは2016年のインタビューで「あのステップ・オーバーで私が有名になったのは間違いない。『アレン・アイバーソンにまたがれた人だ!』と、いろいろな場所で言われるようになったよ(笑)」と語り、昨年10月に元NBA選手JJ・レディックのポッドキャスト『Old Man and the Three』に出演した際には、「ジョーダンの次に尊敬していたのはAIだった。6フィート(身長183cm)、コーンロウ、速さ…今まで言ったことはないけど、彼を尊敬していた」と明かしている。

 ルーの中では、“アイバーソンの存在のおかげ”という想いが今もあるようだ。

構成●ダンクシュート編集部

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