名門クラブの一員として駆け抜けたシーズンが幕を閉じた。

　現地5月22日、「NBAプレーオフ2023」ウエスタン・カンファレンス決勝が行なわれ、八村塁が所属するロサンゼルス・レイカーズは本拠地でデンバー・ナゲッツと第4戦を戦い、111－113で敗れファイナル進出を逃した。

　ナゲッツに３連敗を喫し、ファイナル進出へ崖っぷちのレイカーズ。あとがないチームはこの日、スタメンを変更。オースティン・リーブス、レブロン・ジェームズ、アンソニー・デイビスの３人は不動だが、八村塁とデニス・シュルーダーを先発に抜擢し、勝負をかけた。

　第1クォーターはレイカーズの大黒柱レブロンが大暴れ。デイビス、八村とともに12分間コートに立ち続け、4本の3ポイントシュートを含む21得点をマーク。第２クォーターに入ってもレブロンの勢いは止まらず、リバースレイアップやフィンガーロールで得点を重ね、前半だけで31得点を記録。八村もレイアップなどを決め、73－58で折り返した。

　前半は完全にレイカーズペースで進んだが、第３クォーターにナゲッツが猛反撃。エースのニコラ・ヨキッチが無双し13得点、10リバウンドの活躍で89－94と逆転。第４クォーターは一進一退の展開となり、レイカーズも必死に食らいつくが同点で迎えた残り51.7秒にヨキッチがレイアップを決め、ナゲッツが勝ち越し。

　２点を追う残り４秒、同点を狙ったレブロンを相手ディフェンスが必死のブロックで止めると、無情のブザーが鳴り113－111でナゲッツが接戦を制し、スウィープ（４連勝）。史上初のファイナル進出を決めた。今プレーオフ初先発の八村は、41分57秒間の出場でフリースロー４本をすべて決めて10得点、７リバウンド。フィールドゴール成功率は3/12（25.0％）と苦しんだ。
  　この結果、今年１月のトレードでワシントン・ウィザーズから名門に加入した日本の至宝は、キャリア２度目のプレーオフ、そして自身のNBA４年目を終えた。そんな25歳にレイカーズのレジェンドが賛辞を送っている。

　1988年までチームを５度のNBAチャンピオンに導き、ファイナルMVPを３度獲得。206cmという長身を感じさせない俊敏な身のこなしと魔術師のような天才的なプレーから"マジック"と称された大型司令塔のマジック・ジョンソン氏だ。

　同氏は試合後、カンファレンス・ファイナルまで進出したチームを称えると「レイカーズには、ダービン・ハムという素晴らしいコーチ、レブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスという2人のスーパースター、そしてオースティン・リーブスとルイ・ハチムラという新たなスターがいる」と綴り、「ロブ・ペリンカGMが素晴らしいオフシーズンを過ごし、このプレーオフでの成功をさらに発展させることを願っています」とツイッターに労いの言葉をかけた。
　
　現地ファンも同様で、SNS上では日米を中心に「ルイ、ありがとう！素晴らしいプレーオフの活躍だった」「毎日楽しめた！」「来季もぜひレイカーズにいてくれ！」「ルイ、もちろん来季もいるよな？」などコメントが寄せられた。

　今夏に八村とリーブスが制限付きフリーエージェント（FA）、ガードのディアンジェロ・ラッセルらが完全FAとなり、来季に向けたチーム作りが注目されているレイカーズ。約４か月、名門で研鑽を積んだ25歳の日本人は来季も黄色いユニホームを着てプレーするのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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