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NBAの“ゴッドファーザー”ライリーが「何としてでも狙う」10度目の優勝。重鎮マジックは“自身との共通点”を語る<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2023.06.05

ライリーにとって10度目のチャンピオンリングまであと3勝。はたしてヒートは“ゴッドファーザー”に栄冠をもたらせるか。(C)Getty Images

 現地時間6月4日(日本時間5日、日付は以下同)に行なわれたデンバー・ナゲッツとマイアミ・ヒートのNBAファイナル第2戦は、ホームのボール・アリーナで圧倒的強さを誇るナゲッツが、3点ビハインド(23-26)で迎えた第2クォーターにクリスチャン・ブラウン、ジェフ・グリーン、ブルース・ブラウンというセカンドユニットの活躍で逆転に成功。

 その後もジャマール・マレーやアーロン・ゴードンが加点していき、前半残り5分2秒にこの試合最大となる15点差(50-35)をつけると、観客の大歓声も味方につけて完全に主導権を握っていた。

 ところが、そこからヒートは徐々に挽回し、第3クォーターに同点に。ニコラ・ヨキッチの活躍もあってリードを奪うには至らなかったが、8点ビハインドで突入した第4クォーター序盤にダンカン・ロビンソンが爆発、さらに残り10分10秒にゲイブ・ヴィンセントの長距離砲で逆転すると、最終スコア111-108で接戦を制してシリーズ戦績を1勝1敗とした。
 
 ヒートには2020年のファイナルを戦ったジミー・バトラー、バム・アデバヨ、ロビンソン、タイラー・ヒーロー(右手骨折のため欠場中)が在籍しているほか、2016年にクリーブランド・キャバリアーズで優勝したケビン・ラブ、2019年にトロント・ラプターズでリーグ制覇を経験したカイル・ラウリーといったベテランがいるが、選手以上の実績を持つのが、球団社長のパット・ライリーだ。

 3月20日に78歳を迎えたライリーは、現役時代にロサンゼルス・レイカーズとフェニックス・サンズで計3度、アシスタントコーチ(AC)とヘッドコーチ(HC)としてレイカーズ、ニューヨーク・ニックス、ヒートで計10度、そしてヒートのエグゼクティブとして6度と、計19度目のファイナルを経験している。

 4日に『USA TODAY』へ公開された記事のなかで、1972年にレイカーズで優勝を勝ち取ったジェリー・ウエストは、当時チームメイトだったライリーについて「彼がキャリアでやり遂げてきたことを見てくれ。まさに特筆すべきことだ」と舌を巻いていた。

 現役時代に1度、コーチで6度、エグゼクティブで2度のNBAチャンピオンに輝いているライリー。だが1980年代に"ショータイム・レイカーズ"で主役を務め、5度の優勝を勝ち取ったマジック・ジョンソンは、ライリーが自身"10度目"のリーグ制覇を狙っていると話していた。

「彼はあとひとつ、なんとしてでも勝ちたがっている。彼は何も変わっちゃいないよ。今もなお熱烈なんだ。それは彼の顔を見ればわかるよ」
 
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ライリーとマジックの“共通点”