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NBA

NBAの“ゴッドファーザー”ライリーが「何としてでも狙う」10度目の優勝。重鎮マジックは“自身との共通点”を語る<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2023.06.05

 ライリーがレイカーズを指揮していた当時、ロスターにはカリーム・アブドゥル・ジャバーやジェームズ・ウォージー、バイロン・スコットなどタレントが揃っていたが、チームの根幹を担っていたのがマジックだった。

 206cmの超大型ポイントガードとしてコートを縦横無尽に走り回り、ノールックパスや味方さえも驚くような鋭いパスでアシストを量産しつつ、点も取っていたマジックは、ライリーがリーダーへ期待することについて「チーム・ファースト。勝つことが最優先なんだ。チームメイトたちを大切にしろというものだった」と明かしていた。

「だからこそ、ヒートはファイナルにいる。ジミーが周囲のチームメイトたちを引き上げた。彼は味方を高めてみせた。それに彼はチームで最もハードにプレーする男で、周りは彼についていく」

 “ショータイム・レイカーズ”のシステムをデザインしたライリー、そのリーダーとして実行役を担ったマジックには“似ている部分”があったと殿堂入りPGは語る。

「彼らは私が“勝つことこそがすべて”なんだとわかっていた。私は自分がどれだけ点を取ったり、どれくらいショットを放ったかなんて気にしなかった。私はただ勝ちたかっただけさ。その点で、私たちは似ているんだ。勝利していた時こそ、試合を支配できていたからね」
 
 1980年代にレイカーズで王朝を築いた指揮官は、マジックにとって「コーチというだけでなく、最高の友人のひとり」でもあった。そしてバトラーも過去に「(ライリーは)ゴッドファーザー。伝説のような人だね。僕がここにいる大きな要因になっていることは間違いない」と語っていた。

 たとえ相手チームにねじ伏せられても、そう簡単に敗北を受け入れずに勝利する方法を見出す粘り強さが印象的なヒート。それは試合中のアジャストに秀でたエリック・スポールストラHCの強みのひとつであり、またライリーがNBAという世界最高のプロバスケットボールリーグで長い間生き抜いてきた証でもある。

 球団史上初優勝を目指すナゲッツと、2013年以来4度目の覇権奪回を狙うヒートのシリーズは1勝1敗。まだ戦いは続いていくのだが、ヒートにとっては“生きる伝説”とも言えるライリーという勝負師がいることは、心強いに違いない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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