NBA

名将カーがファイナル第2戦、ヒート勝利の要因を分析「マレーを最重要人物とし、ゲームから追い出そうとしていた」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2023.06.06

第2戦でヒートは先発を変更し、守備でマレー(左)にバトラー(右)をつける時間を増やしたことで、シリーズをタイに持ち込んだ。(C)Getty Images

 現地時間6月4日(日本時間5日)に行なわれたNBAファイナル第2戦は、マイアミ・ヒートが敵地ボール・アリーナで111-108の勝利を収め、デンバー・ナゲッツに今プレーオフ初のホーム黒星をつけた。

 この試合、ナゲッツはニコラ・ヨキッチが第3クォーターだけで18得点を奪うなどゲームハイの41得点、11リバウンドをマーク。さらにジャマール・マレーが18得点、10アシスト、アーロン・ゴードンが12得点、7リバウンド、ブルース・ブラウンが11得点、5リバウンド、2スティールをあげた。

 だがシリーズ初戦でゲームハイの14アシストを配球したヨキッチは、今プレーオフ最少の4アシストにとどまり、ゴードンとマイケル・ポーターJr.の両フォワードは2人で計17得点(第1戦では計30得点)に抑えられた。

 敵地で貴重な1勝を手にしたヒートでは、ゲイブ・ヴィンセントが23得点、2スティール、ジミー・バトラーが21得点、9アシスト、バム・アデバヨが21得点、9リバウンド、4アシスト、2ブロック、初戦で無得点に終わったマックス・ストゥルースが14得点、6アシスト、ダンカン・ロビンソンが10得点、先発起用されたケビン・ラブが6得点、10リバウンド、2スティールをあげた。

 ヒートは前半に背負った15点ビハインドを挽回し、最終クォーター序盤で逆転に成功すると、以降はナゲッツの猛攻に遭いながらもリードを守り切り、シリーズ成績を1勝1敗のタイとした。
 
 今後のシリーズの行方が注目されるなか、5日に公開されたゴールデンステイト・ウォリアーズのドレイモンド・グリーンのポッドキャスト番組"The Draymond Green Show"へスティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)が出演。第2戦のヒートについて次のように言及した。

「ケビン(ラブ)をスタートさせたことで、バトラーがマレーをガードすることができた。私はスポ(エリック・スポールストラHC/ヒート)と話したわけじゃないが、ヒートのコーチ陣はヨキッチではなく、マレーこそが(ナゲッツの)最重要人物と位置付けたように見えた」

 シリーズ初戦で26得点、10アシストを叩き出したマレーは、第2戦でも18得点、10アシストと2戦連続でダブルダブルを達成。第4クォーターには貴重な3ポイントを決めたが、バトラーの徹底マークによってヨキッチとの2メンゲームに制限がかかり、両選手の動きに連動してイージーバスケットにつなげるゴードンとポーターJr.は初戦ほどのインパクトを残せなかった。
 
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バトラーの徹底マークによりマレーの動きは制限