専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
NBA

NBAドラフトまで1週間!ナイジェリア出身、バルセロナ所属の大器ジェームズ・ナジにウォリアーズが注目か<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2023.06.16

18歳とは思えぬ肉体を誇るナジ。ドラフトでは1巡目下位~2巡目での指名が予想されている。(C)Getty Images

18歳とは思えぬ肉体を誇るナジ。ドラフトでは1巡目下位~2巡目での指名が予想されている。(C)Getty Images

 現地時間6月22日に開催されるNBAドラフト。フランスのヴィクター・ウェンバンヤマの1位指名が有力視されるなか、ヨーロッパのクラブには彼のほかにも注目の指名候補が存在する。今回はそのうちの1人、ナイジェリア出身のジェームズ・ナジを紹介しよう。

 現在バルセロナ所属のナジは、2004年8月14日生まれの18歳。ドラフト候補では最年少の部類だが、身長211cm、体重113kg、ウイングスパン226cmの体格、とりわけ肩周りなどの上半身は、すでに2、3年NBAで研鑽した選手かと思うくらいに発達している。

 ナイジェリアにルーツを持つ選手はヤニス・アデトクンボ、ヴィクター・オラディポなど、NBAでも何人か活躍しているが、ヤニスはギリシャ、オラディポはアメリカの生まれと、ナイジェリア以外で生まれ育った選手が多い。

 しかしナジは、ナイジェリアで生まれ、14歳まで同国で育った選手だ。彼が欧州リーグに活路を見出すきっかけとなったのは、アフリカから若い才能を発掘するプロジェクト、『ジャイアント・オブ・アフリカ』のキャンプに参加したことだった。
 
『ジャイアント・オブ・アフリカ』は、トロント・ラプターズの社長で自身もナイジェリアにルーツをもつマサイ・ウジリが2003年にスタートさせた非営利活動で、ナジは創立15周年にあたる2018年の夏のキャンプに参加していた。

 当時14歳になったばかりのナジのバスケ歴は2年ほどと浅かったが、このキャンプでの模様を録画したビデオを母親がフェイスブックに投稿したことをきっかけに、ハンガリーのプロクラブから誘いがかかった。さらにそこで2年間活動している間に、今度は欧州きってのビッグクラブ、バルセロナからスカウト。アフリカを出て5年後にはNBAドラフトに臨むという、現代のシンデレラストーリーを歩んできた。

 もっとも、バルセロナ所属と履歴書に書く分には見栄えがいいが、実際には若い才能にとって必ずしもアドバンテージになるわけではない。

 何年もプロ経験がある選手でさえ、ほんの一握りしか契約にこぎつけられない名門クラブゆえに、ロスターのレベルは高い。おまけに近年はNBAからのリターン組も多数在籍しており、そのなかでプロ未経験のティーンエイジャーが出場タイムを獲得するのは難しい。

 19歳でレアル・マドリーをユーロリーグ優勝に導きMVPに輝いたルカ・ドンチッチの神童ぶりがわかるというものだが、彼には13歳から同クラブで育成されたというアドバンテージもあった。
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号