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NBA

オーナー体制を終えたジョーダン。球団運営への低評価にアリナスが擁護「指名のことだけで『最悪のGM』だとは言われたくない」<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2023.06.30

ホーネッツを売却し、筆頭オーナーを退いたジョーダン。球団運営では選手時代のような大成功とはいかなかった。(C)Getty Images

ホーネッツを売却し、筆頭オーナーを退いたジョーダン。球団運営では選手時代のような大成功とはいかなかった。(C)Getty Images

 バスケットボール界のレジェンド、マイケル・ジョーダンは現地時間6月16日、オーナーを務めるシャーロット・ホーネッツの過半数の株式を売却することで合意した。

 13年間のオーナー体制に幕を下ろすことになったわけだが、ジョーダンのコート外での働きに関しては、ワシントン・ウィザーズのバスケットボール運営部門社長時代を含めて、厳しい声も少なくない。ただ、元NBA選手のギルバート・アリナスは、世間の批判は正しくないと考えているようだ。

 現役時代にシカゴ・ブルズで2度の3連覇を果たすなど、90年代のリーグを牽引したジョーダン。“神様”は現役引退後、2006年にシャーロット・ボブキャッツ(現ホーネッツ)の共同オーナーの1人になった。そして、10年にはチームを2億7500万ドル(当時のレートで約248億円)で買収し、元選手としてはNBA史上初の筆頭オーナーに就任した。

 オーナーとして13年目の2022-23シーズン、ホーネッツは27勝55敗(勝率32.9%)でイースタン・カンファレンス14位に低迷。ジョーダンの在任期間、勝率5割を超えたのは3回(13-14シーズン:43勝39敗/52.4%、15-16シーズン:48勝34敗/58.5%、21-22シーズン:43勝39敗/52.4%)、プレーオフ進出は14、16年の2回でいずれも1回戦敗退だった。

 現役時代にしのぎを削った盟友のチャールズ・バークレーは、ジョーダンのオーナーとしての手腕を批判して2人の関係性が悪化したのは有名な話だ。しかし、ジョーダンが世間から最も非難を浴びたのは、ホーネッツ以前の仕事に遡る。ウィザーズの運営部門の社長として、2001年のドラフト全体1位でクワミ・ブラウンを指名したことだった。
 
 ブラウンは“大成しなかったドラフト1位選手”の代表格に挙げられるが、アリナスは『VladTV』のインタビューで当時19歳のブラウンを指名したジョーダンを擁護した。

「時間を巻き戻して今なら誰を選ぶか。タイソン・チャンドラー?(クリッパーズが2位指名)いや、彼はプロキャリア20年(実際は19年)を数えるが、決してスター選手ではなかった。1位ではたぶん指名しない。エディ・カリー?(ブルズが4位指名)おそらく違う。パウ・ガソル(ホークスが3位指名)は1位候補だった?いいや、違う。だから、誰もが選んだであろう1位指名の選手(ブラウン)を選択したことを責められるべきではないんだ」

 アリナスは、ジョーダンがボブキャッツ(現ホーネッツ)の共同オーナーとなった06年のドラフトで、ゴンザガ大のアダム・モリソンを3位指名したことを引き合いに出しつつ、ドラフトだけで手腕を評価すべきではないと持論を展開している。

「シャーロット時代にアダム・モリソンを指名したが、あの順位でほかに誰を獲得するかって?その後スターになった選手はいるだろうけど、指名の時にそこまで考えているか。いいや、していない。つまり、最高の順位で最高の選手を指名したかどうかで(成功か)判断しないといけない。タレントを育てるための最高のインフラを持っていなかったという批判には耐えられるが、指名のことだけで『最悪のGM』だとは言われたくないね」

 アリナスの中でジョーダンは、決して“史上最悪のオーナー”ではないようだ。

構成●ダンクシュート編集部
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