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名将リバースが“ヘッドコーチ界のFA”となった現在の心境を語る「今はただ人生を楽しむだけ」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2023.07.15

25年ぶりに無所属のまま開幕を迎えるリバース。再びHCとしてチームを指揮する日は来るのか。(C)Getty Images

 昨季終了後、NBAはHC(ヘッドコーチ)の解任劇が相次いだ。2019年にトロント・ラプターズをチャンピオンへ導いたニック・ナース、2021年にミルウォーキー・バックスが球団史上2度目の王座を獲得した当時の指揮官マイク・ブーデンホルザー、フィラデルフィア・セブンティシクサーズのドック・リバース、一昨季に最優秀コーチ賞に選ばれたフェニックス・サンズのモンティ・ウィリアムズなど、そのリストには大物たちも含まれていた。

 その後、ナースはシクサーズ、ウィリアムズはデトロイト・ピストンズの指揮官へ就任。サンズの新HCにはロサンゼルス・レイカーズを2020年に優勝へ導いたフランク・ヴォーゲルが就き、バックスの新指揮官にはラプターズのAC(アシスタントコーチ)だったエイドリアン・グリフィン、ラプターズはメンフィス・グリズリーズでACを務めていたダルコ・ラジャコビッチがナースの後任となった。

 現時点でブーデンホルザーとリバースは無所属となっているが、後者は2007-08~2022-23シーズンまで、16年連続で率いたチームをレギュラーシーズン勝ち越しに導いているリーグ有数の名将。
 
『ESPN Stats & Info』によると、レギュラーシーズンで16年以上も連続で勝ち越している指揮官はNBA史上で5人のみ。サンアントニオ・スパーズのグレッグ・ポポビッチ(22シーズン)、シカゴ・ブルズとレイカーズで指揮を執ったフィル・ジャクソン(20シーズン)、レイカーズやニューヨーク・ニックス、ヒートで指揮官を務めたパット・ライリー(19シーズン)、そしてユタ・ジャズのジェリー・スローンとリバース(いずれも16シーズン)という面々となっている。

 リバースは、約24年間のHCキャリアで歴代9位のレギュラーシーズン通算1097勝(763敗/勝率59.0%)、プレーオフでも歴代4位の通算111勝(104敗/勝率51.6%)という実績を残しており、2008年にはボストン・セルティックスの指揮官としてチャンピオンになっている。

 ただ、過去4シーズンはプレーオフでいずれもカンファレンス準決勝敗退。3勝1敗でシリーズ突破に王手をかけながら、そこから3連敗を喫して敗れた回数も多く、その手腕について疑問の声があがっていた。
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「この先のことはわからない」とリバース