NBA

昨季ケガ人に泣いたホーネッツ。エースのラメロは「それがコートへ戻ってやるんだという大きなモチベーションになっている」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2023.07.20

昨季はコートに立てば好成績を残したラメロだが、故障で半分以上を欠場。若きエースはホーネッツを上位に導けるか。(C)Getty Images

 現地時間7月19日、シャーロット・ホーネッツのラメロ・ボールが、ミッチ・カプチャックGM(ゼネラルマネージャー)とともに本拠地スペクトラム・センターで記者会見に臨んだ。

 昨季のホーネッツはマイルズ・ブリッジズが家庭内暴力の件で全休したほか、故障のためコディ・マーティンが7試合、ケリー・ウーブレイJr.(現無所属)が48試合、ゴードン・ヘイワードが50試合、テリー・ロジアーが63試合の出場に終わるなどケガ人が続出し、イースタン・カンファレンス14位の27勝55敗(勝率32.9%)と低迷。

 7シーズン連続でプレーオフ出場を逃しただけでなく、ここ10年でワーストの戦績に終わったが、最も痛手となったのが司令塔ボールの長期離脱だった。2021年に新人王、翌22年にオールスター選出と、2020年ドラフト組の出世頭としてキャリアを歩んできたポイントガードは、相次ぐ左足首の捻挫によってわずか36試合の出場にとどまり、2月末に右足首を骨折したことで一足早くシーズンを終えていた。

 21歳の司令塔は会見で「当然、イライラするシーズンだった」と昨季を振り返ったが、その視線はすでに新シーズンを見据えていた。

「僕らは数多くのケガ人を抱えていた。しかしそれが自分の愛することに熱中し、コートへ戻ってやるんだという大きなモチベーションになっている。ケガについては、医者は僕が100%だと言ってくれた。今はコートへ戻っているんだ。少しずつステップを踏んでいる。これまでの自分を取り戻そうとしているよ」
 
 昨季のボールは長期離脱を余儀なくされたとはいえ、いずれも自己ベストの平均23.3点、8.4アシストという好成績を残しており、今夏にフランチャイズ史上最高額となる5年で最大2億6000万ドル(約361億4000万円)というMAX額の延長契約を結んでいる。

 チームは現時点で制限付きFAのPJ・ワシントン、完全FAのウーブレイJr.と再契約を結んでおらず、新加入と言えるのはクォリファイングオファーにサインして復帰したブリッジズ、ドラフト全体2位で指名したブランドン・ミラーくらい。ヘイワード(13年)とロジアー(8年)を除くと、全員がキャリア4年以下という若いロスターとなっている。

 ただ、ブリッジズが平均20.2点、7.0リバウンド、3.8アシストを残した一昨季の姿を取り戻すことができれば、ボールとホーネッツにとっては間違いなく追い風となる。そしてサマーリーグ序盤ではファウルとターンオーバーを多発していた新人ミラーも、ラスベガスで開催された「NBA 2K24 サマーリーグ」では3試合で平均17.3点、8.3リバウンド、2.3アシスト、1.3スティールを残しており、ブリッジズとともにフロントラインを形成する見込みだ。

 ボールも新人フォワードについては「彼がいるのは最高さ。弟のような感じだし、素晴らしい選手だと思うよ。206cmのサイズでボールハンドリングもできるからね。彼は完璧にフィットする気がするし、相性も抜群じゃないかな」と大きな期待を寄せている。

 現役有数の独創的なパサーとして知られるボールが、ブリッジズとミラーを巧みに操ることができれば、ホーネッツは面白いチームになるだろう。もちろん、ケガから復活する選手たちのコンディショニング、ディフェンス面の強化はマストだが、彼らがどんな陣容で開幕を迎えるのか注目だ。

文●秋山裕之(フリーライター)
NEXT
PAGE
【動画】変幻自在のパスで魅せるラメロの極上アシスト集