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NBA

「我々を救ってくれた」昨季終盤のクリッパーズを牽引したウエストブルックを指揮官が称賛。今季は“真の優勝候補”になれるか<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2023.07.27

昨季終盤のクリッパーズを支えたウエストブルック。今夏に再契約を結び、新シーズンも牽引役として期待される。(C)Getty Images

昨季終盤のクリッパーズを支えたウエストブルック。今夏に再契約を結び、新シーズンも牽引役として期待される。(C)Getty Images

 昨季開幕前、ロサンゼルス・クリッパーズはカワイ・レナ―ド、ポール・ジョージの両エースが揃い踏みを果たすということで、前年王者ゴールデンステイト・ウォリアーズとともに優勝候補筆頭と目されていた。

 ところが、いざ蓋を開けてみるとレナードが序盤戦から欠場続きで出場52試合、ジョージも56試合の出場にとどまり、思うように勝ち星を積み重ねることができず。ウエスタン・カンファレンス5位の44勝38敗(勝率53.7%)でレギュラーシーズンを終え、2年ぶりに進んだプレーオフでもフェニックス・サンズに1勝4敗で敗れて1回戦で姿を消した。

 期待外れに終わった理由は、主力の故障に尽きる。ジョージが3月下旬に右ヒザ捻挫のため戦線離脱し、プレーオフも全休。レナードもサンズとのシリーズ第3戦から右ヒザの捻挫のため欠場。その後、半月板断裂を負っていたことが明らかとなり、2枚看板が立て続けにケガに泣くこととなった。

 そんなチームを支えたのが、シーズン途中に加わったラッセル・ウエストブルックだった。

 34歳の元MVPは現地時間2月9日のトレード・デッドラインでロサンゼルス・レイカーズからユタ・ジャズへ移籍後、バイアウトの末にクリッパーズへ加入。新天地では先発ポイントガードとして21試合で平均15.8点、4.9リバウンド、7.6アシスト、持ち前のアグレッシブなプレーでコートを暴れ回り、本来のパフォーマンスを披露した。
 
 7月26日に公開された人気ポッドキャスト番組『ALL THE SMOKE』にゲストとして出演したクリッパーズのタロン・ルーHC(ヘッドコーチ)は、シーズン終盤のチームを牽引したウエストブルックを称賛。

 MCのスティーブン・ジャクソン(元ウォリアーズほか)が「俺はラスのことがめちゃくちゃ好きなんだ。あのプレースタイルや毎晩彼が見せるアプローチがね。彼は俺がチームメイトになれたら良かったと思える男なんだ」と語ると、次のように述べた。

「ラスのことは大好きだ。(加入)初日からね。毎晩ハードにプレーし、すべてを捧げてくれる。どんな試合であろうと、彼は同じやり方で臨んでくれるんだ。我々は(シーズン途中に)彼と(メイソン)プラムリー、ボーンズ(ハイランド)、エリック・ゴードン(現フェニックス・サンズ)を加えた。なかでもラスは我々を救ってくれたんだ。(ジョージが)離脱してから、彼はレベルを引き上げた。彼のことは大好きだし、我々は素晴らしい関係を構築したと思う」

 今夏に完全FAとなったウエストブルックは、2年800万ドル(約11億5200万円)という破格の契約でクリッパーズに残留。今季は開幕からレナード、ジョージ、ウエストブルックの3本柱が揃った状態で戦うことができる。

 選手たちとのコミュニケーションを大切にするルーHCは「ラスとは本音で話せるし、彼も私に対して本音で話してくれる。彼が望んでいるのは真実なんだ」とも口にしており、新シーズンもリーダー格として期待を寄せた。

 10月24日の開幕まで約3か月。クリッパーズが今度こそ万全の状態でシーズンを全うできるか注目だ。

文●秋山裕之(フリーライター)
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