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マブズOBのノビツキーがバスケットボールの進化を語る「私が少しでも影響を与えられていたら嬉しい」<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2023.08.23

21年間のNBAキャリアをマブズ一筋で過ごしたノビツキー。他球団でプレーしたいと思うことはなかったという。写真:梅月智史

 今年バスケットボール殿堂入りを果たした元NBA選手のダーク・ノビツキーが8月21日に来日。サポーターやストッキング、インソールなどを製造・発売しているドイツ発のブランド『BAUERFEIND(バウアーファインド)』のイベントに出席した。

 ドイツ出身のノビツキーは、1998年のドラフト1巡目9位でミルウォーキー・バックスに指名され、当日のトレードでダラス・マーベリックスへ移籍。213㎝・111㎏のパワーフォワードは、2年目に平均得点を2桁(平均17.5点)に乗せると、2000-01シーズンから12年連続で平均20点、6リバウンド以上をマークし、オールスターにも11年連続で選ばれるなど、リーグを代表する選手として活躍した。

 06-07シーズンにチームをフランチャイズ最多の67勝に導く原動力となり、初のMVPを獲得。10-11シーズンにはファイナルでレブロン・ジェームズ、ドゥエイン・ウェイド、クリス・ボッシュのビッグ3擁するマイアミ・ヒートを撃破し、マブズを創設31年目で初優勝に導き、ファイナルMVPに輝いている。

 21年間のキャリアで1522試合に出場し、平均20.7点、7.5リバウンド、2.4アシスト、フィールドゴール成功率47.1%、3ポイント成功率38.0%を記録したノビツキー。

 ノビツキーが第一線で活躍していた2000年代、3ポイントシュートを武器とするビッグマンは少なかったが、彼はいち早くそれを自身の武器に取り入れ、エリアを問わず自在に得点を重ねた。

 しかし、今ではニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)やジョエル・エンビード(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)を筆頭に、ビッグマンが3ポイントを打つのが当たり前になった。
 
 ノビツキーは2000年以降のバスケットボールの変化について次のように語る。

「成長が凄かったと思う。これはNBAだけでなく、全世界での成長だ。この20~25年間の間に、全体的にスキルアップしていると思う。3ポイントに関しても、例えばステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)はハーフコートからシュートを打っている。全体的なバスケットボールの成長に、私が少しでも影響を与えられていたら嬉しいことだね」

 また、現代ではスーパースターの移籍は珍しくなくなったが、ノビツキーは98年のプロ入りから2019年の引退までマブズ一筋で過ごした。デビュー前はマイケル・ジョーダンやスコッティ・ピッペン率いるシカゴ・ブルズの大ファンだったノビツキーだが、NBA入り後は「ダラス以外は考えられなかった」という。

「コーチやファン、チームメイトととても良い関係を築けたから、このチームに21年間在籍することができた。彼らといい時代を過ごすことができたので、ほかのチームでプレーしたいということは特になかった。

 NBAでプレーし始めた時は、自分がここに残ることができるのか不安に思っていたけど、周囲のサポートと自分の努力によって、ずっとダラスに居続けることができた。家族もダラスのコミュニティの一部にもなって、貴重な経験をすることができたよ」(ノビツキー)

 現在マブズではスロベニア出身のルカ・ドンチッチがエースとして確固たる地位を築いているが、ノビツキーはこれからもダラスの英雄であり続けるだろう。

構成●ダンクシュート編集部
 
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