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「彼はそれを個人攻撃と捉えていた」アリナスがウェイドへの“口撃”を止めた理由を明かす「最後まで許してくれなかった」<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2023.08.23

現役時代から歯に衣着せぬ物言いが目立ったアリナスが、ウェイドへの“口撃”を止めた理由とは?(C)Getty Images

 元NBA選手のギルバート・アリナスは、現役時代から歯に衣着せぬ物言いで何かと注目を集めた。しかし、今年バスケットボール殿堂入りしたドゥエイン・ウェイドに対しては、"口は災いの元"となり、口撃をすることはなくなったと明かしている。

 アリナスとウェイドは、1982年早生まれの同級生。アリナスが大学2年終了時の2001年、ウェイドは大学3年終了時の03年にともにアーリーエントリーでNBA入りし、2000年代中盤にはリーグを代表するスコアリングガードとして鳴らした。

 そのなかで、アリナスは4年目となる2004-05シーズン、ウェイドに関する発言が大きく取り上げられたことを、自身がホスト役を務めるポッドキャスト番組『Gil's Arena』で振り返っている。

 ウェイドも出場した2004年のアテネ五輪、アメリカは準決勝でマヌ・ジノビリ擁するアルゼンチンに81-89で敗戦。3位決定戦でリトアニアに104-96で勝利して銅メダルこそ獲得したが、優勝を逃して王国のプライドは傷つけられた。

 当時ワシントン・ウィザーズの一員だったアリナスは、ウェイド擁するヒート戦に向けたコメントを求められたという。

「アメリカは2004年に負けた。04-05シーズン、ヒート戦に向けた話を聞かれた。『マイアミとD-WADE(ウェイド)のことなんて気にしていない。オリンピックと同じことをするだけだ。小さなゾーンを敷けば、彼らはシュートを打てない』と書かれた」
 
 アリナスは、「俺はアメリカ代表を表現の対象に使っただけだった。別にD-WADEがシュートを打てないとは言っていない」と弁明。実際ウェイドが泊まるホテルに電話をして、自分の発言は「誤解」であり、ウェイドを悪く言うつもりはなかったと話したという。

 しかし、試合前には「握手もして、会話もリラックスしていた」一方で、プレーだけは違ったようで、「ウォーミングアップの時から目つきが違った」と回想している。

「直接対決の成績は3勝16敗だったと思う。彼はそれを個人攻撃と捉えていたと思う。それ以来、俺は選手のことは批判しなくなった。俺がどんなにいい試合をしても、彼は決して諦めなかった。彼は最後まで許してくれなかったよ」

 実際、2004-05シーズンのウィザーズ対ヒートの初戦では、ウェイドが当時のキャリアハイとなる37得点、12アシストをあげた。

 両者はレギュラーシーズンで17試合、ポストシーズンで4試合対戦しているが、ウェイドは直接対決で平均26.4点、5.6リバウンド、6.3アシスト、2.2スティールをマーク。これはキャリア平均(平均22.0点、4.7リバウンド、5.4アシスト、1.5スティール)を上回る数字だ。さらに、通算の対戦成績はウェイドの18勝3敗(レギュラーシーズン14勝3敗、プレーオフ4勝0敗)で、2009年の17回目の対戦までアリナスは勝利を手にすることができなかった。

 ウェイドを怒らせてはいけない――。アリナスは身をもってそれを体感したと言っていいだろう。

構成●ダンクシュート編集部

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