専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
バスケW杯

「なんて素晴らしい人間なんだ」河村勇輝の“ラストアシスト”に渡邊雄太が感謝も…記念球はまさかの「ぶん取られました」<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2023.09.05

最終戦の試合直後、河村は真っ先に渡邊のもとへ駆け寄り、ボールをプレゼント。しかし、その記念球は相手のもとへ…。(C)Getty Images

最終戦の試合直後、河村は真っ先に渡邊のもとへ駆け寄り、ボールをプレゼント。しかし、その記念球は相手のもとへ…。(C)Getty Images

 9月2日に行われたFIBAバスケットボールワールドカップ、日本代表にとって48年ぶりに自力での五輪出場が懸かった運命の最終戦。カーボベルデ相手に中盤まで主導権を握ってゲームを進めていた日本は終盤、残り1分を切って3点差まで詰め寄られる苦しい展開を跳ね除け、80-71で勝利を収めた。

 歓喜の瞬間。相手の最後の攻撃を凌ぎ勝利を確信した日本選手たちは、試合が終わる数秒前から高々と両手を上げ、熱い抱擁を交わしていた。そんななか1人、冷静さを保っていた選手がいる。

 代表最年少の22歳、河村勇輝だ。最後にリバウンドを手にした河村は、ドリブルでハーフラインを超えると日本ベンチの方を向き、誰かを呼ぶ仕草。だが興奮冷めやらぬチームメイトたちが自分に気付いていないと見るや、試合終了のブザーと同時に一目散でベンチ後方へ。熱い想いがあふれ、コート片隅で涙を流していた渡邊雄太にウィニングボールを手渡したのだ。

 今大会、日本チーム最多の38アシスト、平均でも大会3位タイ(※9月4日時点)となる7.6アシストを記録している司令塔の粋な“ラストアシスト”には、会場や映像で見ていたファンからも称賛の声であふれた。
 
 ボールを手渡された渡邊本人も、翌日の会見の場で「なんて素晴らしい人間なんだ」と感謝の言葉を述べた。ただし、このエピソードにはまさかのオチも待っていた。渡邊が同会見で明かしている。

「あのボールは、相手チームのコーチなのかスタッフなのかわからないんですけど、人にぶん取られまして(笑)。だからあのボールは正直どこに行ったかわからないです」

 実際に映像を見ると、確かに相手の指揮官、エマニュエル・トロボアダHCが試合後に渡邊と挨拶をし、すれ違いざまにボールに手をかけるシーンが映っている。その後、渡邊もボールを渡すまいと両手で掴んで応戦したが、肩を組んで笑顔で言葉を交わし合った末にボールを譲っている。

 相手指揮官の行動はさておき、歓喜の試合後に予想外の“ターンオーバー”を喫した渡邊。それでも、「カーボベルデもW杯初出場だったので、ボールが欲しかったんだと思います」と理解を示した。

 その後、試合で使った別のボールを受け取った渡邊は、「このあとみんなのサインをもらって家に飾ろうと思ってます」と、“新・記念球”を大切な思い出の品として保管していくことを明かした。

構成●ダンクシュート編集部

「世界のバスケファンのハートを掴んだ!」「日本の英雄」河村勇輝の“超絶プレー”に欧州メディア熱視線! 元NBAスターも虜【バスケW杯】

【バスケW杯PHOTO】3勝2敗、史上初の勝ち越しでW杯を終える!48年ぶり自力での五輪出場決定!|順位決定戦第2戦日本80-71カーボベルデ
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号