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バスケW杯

【バスケW杯準々決勝レポート①】ドイツが熱戦を制し4強入り!ラトビアは大逆転ならずも、初舞台で大健闘<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2023.09.08

歓喜に沸くドイツと肩を落とすラトビア。最終スコア81-79という熱戦をドイツが制した。(C)Getty Images

歓喜に沸くドイツと肩を落とすラトビア。最終スコア81-79という熱戦をドイツが制した。(C)Getty Images

「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」は9月5日よりフィリピンのマニラに上位8チームが集結し、決勝トーナメントがスタート。6日の準々決勝2日目には、ここまで無敗で勝ち上がってきたドイツと、ワールドカップ初出場ながらフランス、スペイン、ブラジルを退けベスト8進出と、勢いに乗るラトビアが対戦した。

 試合は開始5分でラトビアが10点差をつける好スタート。しかしドイツも落ち着いて反撃し、その後は5点差以内を行ったり来たりする僅差の競り合いが続いた。

 勝負の分かれ目は第4クォーター立ち上がり。連続してシュートを落とし、ターンオーバーに相手へのファウル献上と、ラトビアに不安定な動きが続いた間に、ドイツが14点のリードを奪う。ラトビアもそこから不屈の精神で盛り返し、残り1分11秒には2点差まで迫る。残り3秒、逆転を狙ったダービス・ベルターンスの3ポイントシュートはリング奥に当たって弾かれ、ほどなく試合終了のブザーが鳴った。

 この日、それまで6本の3ポイントを沈めていたベルターンスだったが、一番決めたかった最後の1本をネットに収めることができず、ブザーが鳴った後もしばらく下を向いたまま動けなった。

 ドイツは主砲のデニス・シュルーダーが30分の出場で9得点(FG4/26)と不発。タイムアウト中にはゴードン・ハーバートHCと口論する姿も見られたが、指揮官は「今日は彼にとってはタフな日になったが、彼は闘争心が強い選手。必ず復活するよ。それについてはなんの心配もない」と試合後の会見で断言。

 8日の準決勝ではアメリカと対戦するが、攻守ともに改善点があると語った上で、この試合でアシスト数がわずか10と、チーム全体でボールが回っていなかったことを最も修正すべき点に挙げた。
 
 ポジティブな要素としては、日本との1次ラウンド初戦で足首を痛め、その後の試合を欠場していたフランツ・ヴァグナーがこの試合から復活。24分間コートに立つと、チームハイの16得点に8リバウンドと存在感を示し、マン・オブ・ザ・マッチにも選出された。

 ドイツ代表は、この日もベンチスコアが44点と全得点の半数を上回ったように、チーム全体の層が厚い。不発だったシュルーダーもそれまでの5試合ではチーム最多の平均19.8点をマークしている。得点はできなくても、彼のペネトレーションは相手にとって常に厄介であり、脅威の存在であることに変わりはない。

 ラトビアのルカ・バンキHCは、「第4クォーターの立ち上がりが我々にとって最悪の瞬間だった。ヴァグナーのように能力のある選手はああいった場面で得点する術を見つけ出す」と敗因を指摘したが、「とはいえ、相手はNBA選手が4人、ユーロリーグの選手も大勢いるチーム。全般的に、我々のディフェンスは素晴らしかった。完璧ではないが、その完璧ではないところも含めて誇りに思っている」と8強入りに胸を張った。

 実際、現チームに大黒柱のクリスタプス・ポルジンギスは不在。キャプテンで司令塔のダイリス・ベルターンスも2戦目のフランス戦で右ハムストリングを負傷してその後は全休と、ベストメンバーが揃った状態ではないなかで、この結果は見事だ。彼らは翌日の順位決定戦でもイタリアを退け6位以上を確定。9日の5位決定戦(対リトアニア)で有終の美を飾るべく、最後の戦いに臨む。
 

文●小川由紀子

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