9月8日にフィリピンのマニラで行なわれた「FIBAワールドカップ2023」の準決勝。アメリカはアンソニー・エドワーズが23得点、オースティン・リーブスが21得点、ミケル・ブリッジズが17得点をあげるも、ドイツに111―113で敗退。2大会ぶりの優勝はならなかった。
NBA選手を擁しながら頂点に手が届かなかったアメリカだが、この試合前にメディア、特にカメラマンの間では「ドイツに勝って欲しい」という声が高まっていた。
“ジャイアントキリング”への期待もあったが、それ以上に大きかったのは、今回のチームUSAの印象が良くないことがその理由だった。
「まだ経験も浅い若手なのに、あの驕りっぷりは異様」
コートサイドで撮影しているカメラマンたちは、彼らの位置から丸聞こえで、アメリカの選手の試合中の口汚いトラッシュトークにウンザリしていたのだった。
全員ではないものの、特に酷かったのがアンソニー・エドワーズ、キャメロン・ジョンソン、ジャレン・ジャクソンJr.の3人。グループリーグのニュージーランド戦では188㎝・77㎏の相手のガード、テイラー・ブリットゥに対し、「お前はなぜここでプレーしてるんだ? このレベルでプレーできるような選手じゃないだろ? お前なんかが俺たち相手に点を決められるわけない」と侮辱的な発言をしていたそうだ。
実際ブリットゥは今大会、4試合で2得点しかあげていないのだが、唯一の得点がアメリカ戦だったのはなんとも皮肉である。
トラッシュトークはNBAでは日常茶飯事で、心理戦でもある。しかし国際トーナメントにおいては、上記のような発言は相手へのリスペクトを欠く行為とみなされる。
ちなみに古参のカメラマンは、コビー・ブライアントやレブロン・ジェームズ、ケビン・デュラントら、錚々たるメンバーが名を連ねていたロンドン五輪のチームではそのようなことはなく、相手へのリスペクトがあったと語っていた。
アメリカのスティーブ・カー・ヘッドコーチは、2大会連続でチームUSAがワールドカップ優勝を逃したことについて質問されると以下のように答えた。
「この30年で試合はグローバル化した。これらの試合は難しい。もう1992年とは違う。世界中で選手のレベルは上がっている。チームも良くなっている。ワールドカップやオリンピックで勝つのは容易なことではない」
彼らにとっては、改めて自分たちの立ち位置を知る良い機会となったことだろう。
文●小川由紀子
【バスケW杯準決勝レポート②】“3年計画”でアメリカを打ち破ったドイツ。指揮官は「我々はお互いのために戦っている」<DUNKSHOOT>
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実際ブリットゥは今大会、4試合で2得点しかあげていないのだが、唯一の得点がアメリカ戦だったのはなんとも皮肉である。
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アメリカのスティーブ・カー・ヘッドコーチは、2大会連続でチームUSAがワールドカップ優勝を逃したことについて質問されると以下のように答えた。
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文●小川由紀子
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