バスケW杯

【バスケW杯】屈辱の2大会連続メダル逸となったアメリカ。「とてもがっかり」と重鎮マジック、カーHCは「もう1992年ではない」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2023.09.11

2大会連続で表彰台を逃したアメリカ。はたして彼らの取るべき道は?(C)Getty Images

「アメリカ男子バスケットボールチームがFIBAワールドカップでドイツと対戦している試合を観ていた。そして我々が111-113で負けたことに私はとてもがっかりした。今は金メダルではなく、銅メダルのためにプレーすることになる」

 9月8日の「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」の準決勝で、アメリカはフィリピンのマニラにあるモール・オブ・アジア・アリーナでドイツに惜敗。試合後にレジェンドのマジック・ジョンソン(元ロサンゼルス・レイカーズ)がそうX(旧Twitter)へ投稿したのだが、おそらく多くの人たちが同じ思いを抱いたことだろう。

 今回、アメリカ代表で指揮を執るスティーブ・カーHC(ヘッドコーチ/ゴールデンステイト・ウォリアーズ)は「このチームはチャンピオンシップを勝ち取るにふさわしいチーム。我々はそれを成し遂げられなかった」と試合後に話していたが、1992年のバルセロナ・オリンピックで世界中を風靡した"ドリームチーム"のようにはいかないことも重々承知していた。

「バスケットボールはこの30年間でグローバル化してきた。難しくなっている。もはや1992年ではない。選手たちは世界中で向上しているし、チームとしても上手くなっている。ワールドカップやオリンピックで勝利するのは簡単なことではない」
 
 1992年以降、アメリカが世界最高の国としてバスケットボール界へ多大な影響を与えてきたことは事実。だがヨーロッパや南米が着実に力をつけてきており、オリンピックこそ現在4連覇中ながら、ワールドカップでは2019年に7位、今年も決勝へ進めず、3位決定戦でもカナダに敗れ表彰台を逃してしまった。

 打倒アメリカ、金メダル獲得を目指す各国は、長い年数をかけて選手たちを育成し、プロリーグで経験を積むと同時に、代表チームとしても成長を遂げてきている。その一方、アメリカは毎回、招集から3週間前後の急造チームを国際大会へ送り込み、最終的には個の力で打開して頂点に立ってきた。

 その結果が、2大会連続のメダル逸。アメリカの国際大会へ臨むやり方は、もはや時代遅れなのかもしれない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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