10月5日(日本時間6日)、2024年夏に開催されるパリ五輪に向けた"争奪戦"に終止符が打たれた。
フィラデルフィア・セブンティシクサーズのジョエル・エンビードは、出身国のカメルーンに加え、フランス、アメリカの国籍も保持しており、どの代表チームでプレーするのか注目を浴びていた。
【動画】エンビードのプレー集をチェック!
来年7月の世界最終予選で五輪出場権獲得を目指すカメルーンに対し、アメリカとフランス(開催国)はパリ五輪出場を決めている。先日、フランスのバスケットボール連盟は、エンビードに対して10月10日までにフランス代表としてプレーするかどうか選択することを報告する期限を設けていた。
その際、エンビードは代理人たちとともにフランス代表チームと会って話し合いの場を持ったようだが、最終的にアメリカ代表として五輪に出場することを決断した。
代表チーム入りの決断をUSAバスケットボールのマネージングディレクター、グラント・ヒル(元デトロイト・ピストンズほか)に伝えたエンビードは、アメリカを選択した理由をこう語っていた。
「俺は3つの選択肢を気に入っていた。(カメルーンは)ホームカントリーであり、大好きな国だ。けど俺はオリンピックに何としても参加したい。それが俺のゴールで、夢でもある。それに、俺にはアメリカで生まれた息子がいて、この国で長い間暮らしている。フランスについては、彼らがしてくれたことには本当に感謝している。難しい決断だった」
現在アメリカは五輪4連覇中だ。しかし、今夏の「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」では4位に終わり、2大会連続でメダルを逃していただけに、アメリカが来夏のパリ五輪で汚名返上を狙っていることは言うまでもない。
そのワールドカップでセンターを務めたのは、208cm・110kgのジャレン・ジャクソンJr.(メンフィス・グリズリーズ)、208cm・113kgのパオロ・バンケロ(オーランド・マジック)、213cm・111kgのウォーカー・ケスラー(ユタ・ジャズ)の3人だった。
ジャクソンJr.は2シーズン連続のブロック王で、昨季は最優秀守備選手賞に選出されたが、国際大会では思うように活躍できず、若手2人も苦しんだ。
その点、エンビードは213cm・127kgの29歳で、まさにキャリアの全盛期を迎えている。過去2シーズンはいずれも得点王に輝き、昨季は平均33.1点、10.2リバウンド、4.2アシスト、1.0スティール、1.7ブロックにフィールドゴール成功率54.8%を残してMVPに初選出された。
攻撃ではポストプレー、ドライブ、プルアップジャンパー、そして3ポイントも決めることができ、ディフェンスでもペイントエリアで相手チームの脅威となっている。
来年の五輪に向けて、アメリカは10月2日のメディアデーを終えた時点でレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)、ステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、ケビン・デュラント(フェニックス・サンズ)といった面々が出場を希望する意向を示していることから、パリへスーパースター軍団を送り込むことが容易に想像できる。
「彼らがコミットしてくれるのは最高だね。それはこのチームだけでなく、バスケットボールというゲームとオリンピックにとってもだ。バスケットボールはこの世界のなかでも大きな規模の競技ということなのさ」
エンビードがそう話したように、アメリカが超豪華メンバーでパリ五輪へ参戦すれば、大会5連覇を飾る可能性が高まるだけでなく、世界中のバスケットボール熱を高めるに違いない。
文●秋山裕之(フリーライター)
フィラデルフィア・セブンティシクサーズのジョエル・エンビードは、出身国のカメルーンに加え、フランス、アメリカの国籍も保持しており、どの代表チームでプレーするのか注目を浴びていた。
【動画】エンビードのプレー集をチェック!
来年7月の世界最終予選で五輪出場権獲得を目指すカメルーンに対し、アメリカとフランス(開催国)はパリ五輪出場を決めている。先日、フランスのバスケットボール連盟は、エンビードに対して10月10日までにフランス代表としてプレーするかどうか選択することを報告する期限を設けていた。
その際、エンビードは代理人たちとともにフランス代表チームと会って話し合いの場を持ったようだが、最終的にアメリカ代表として五輪に出場することを決断した。
代表チーム入りの決断をUSAバスケットボールのマネージングディレクター、グラント・ヒル(元デトロイト・ピストンズほか)に伝えたエンビードは、アメリカを選択した理由をこう語っていた。
「俺は3つの選択肢を気に入っていた。(カメルーンは)ホームカントリーであり、大好きな国だ。けど俺はオリンピックに何としても参加したい。それが俺のゴールで、夢でもある。それに、俺にはアメリカで生まれた息子がいて、この国で長い間暮らしている。フランスについては、彼らがしてくれたことには本当に感謝している。難しい決断だった」
現在アメリカは五輪4連覇中だ。しかし、今夏の「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」では4位に終わり、2大会連続でメダルを逃していただけに、アメリカが来夏のパリ五輪で汚名返上を狙っていることは言うまでもない。
そのワールドカップでセンターを務めたのは、208cm・110kgのジャレン・ジャクソンJr.(メンフィス・グリズリーズ)、208cm・113kgのパオロ・バンケロ(オーランド・マジック)、213cm・111kgのウォーカー・ケスラー(ユタ・ジャズ)の3人だった。
ジャクソンJr.は2シーズン連続のブロック王で、昨季は最優秀守備選手賞に選出されたが、国際大会では思うように活躍できず、若手2人も苦しんだ。
その点、エンビードは213cm・127kgの29歳で、まさにキャリアの全盛期を迎えている。過去2シーズンはいずれも得点王に輝き、昨季は平均33.1点、10.2リバウンド、4.2アシスト、1.0スティール、1.7ブロックにフィールドゴール成功率54.8%を残してMVPに初選出された。
攻撃ではポストプレー、ドライブ、プルアップジャンパー、そして3ポイントも決めることができ、ディフェンスでもペイントエリアで相手チームの脅威となっている。
来年の五輪に向けて、アメリカは10月2日のメディアデーを終えた時点でレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)、ステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、ケビン・デュラント(フェニックス・サンズ)といった面々が出場を希望する意向を示していることから、パリへスーパースター軍団を送り込むことが容易に想像できる。
「彼らがコミットしてくれるのは最高だね。それはこのチームだけでなく、バスケットボールというゲームとオリンピックにとってもだ。バスケットボールはこの世界のなかでも大きな規模の競技ということなのさ」
エンビードがそう話したように、アメリカが超豪華メンバーでパリ五輪へ参戦すれば、大会5連覇を飾る可能性が高まるだけでなく、世界中のバスケットボール熱を高めるに違いない。
文●秋山裕之(フリーライター)
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